MLBワイルドカードとは?プレーオフに向けた第2の争い

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MLB(メジャーリーグベースボール)は、アメリカンリーグ(以下、ア・リーグ)とナショナルリーグ(以下、ナ・リーグ)の2リーグ制になっていて、各リーグ15チーム(計30チーム)それぞれが162試合のレギュラーシーズンを戦います。

レギュラーシーズンで上位に入り、リーグチャンピオンおよびワールドチャンピオンを目指します。

本記事では、MLBのワイルドカードとは何か、そしてプレーオフとの関係について説明し、ワイルドカード争いの現況について紹介します。

MLB地区順位とワイルドカード順位

ワイルドカードとは何かについて説明する前に
例として2023シーズンのワイルドカード争いの現況を示します。

重要になってくるのは勝率です。

ア・リーグ地区順位とワイルドカード順位

ア・リーグ地区順位およびワイルドカード順位

最終10月2日(日本時間)までの
ア・リーグ地区順位およびワイルドカード順位

東地区
チーム名関係選手勝率勝差試合
1オリオールズ藤浪晋太郎.623162101610
2レイズ.611216299630
3ブルージェイズ菊池雄星.5491016289730
4ヤンキース.506716282800
5Rソックス吉田正尚.481416278840
中地区
チーム名関係選手勝率勝差試合
1ツインズ前田健太.53716287750
2タイガース.481916278840
3ガーディアンズ.469216276860
4Wソックス.37715162611010
5ロイヤルズ.3465162561060
西地区
チーム名関係選手勝率勝差試合
1アストロズ.55616290720
2レンジャーズ.55616290720
3マリナーズ.543216288740
4エンゼルス大谷翔平.4511516273890
5アスレチックス.30923162501120
ワイルドカード
チーム名関係選手勝率勝差試合
1レイズ.611116299630
2レンジャーズ.555616290720
3ブルージェイズ菊池雄星.549416289730
4マリナーズ.5432116288740
5ヤンキース.5062616282800
6Rソックス吉田正尚.4815416278840
7タイガース.4815016278840
8ガーディアンズ.4691216276860
9エンゼルス大谷翔平.4506316273890
10Wソックス.376512162611010
11ロイヤルズ.34575162561060
12アスレチックス.30866162501120

ナ・リーグ地区順位とワイルドカード順位

ナ・リーグ地区順位およびワイルドカード順位

最終10月2日(日本時間)までの
ナ・リーグ地区順位およびワイルドカード順位

東地区

チーム名関係選手



勝率
1ブレーブス162104580.642
2フィリーズ16290720.55614
3マーリンズ16184770.5225.5
4メッツ千賀滉大16174870.46010
5ナショナルズ16271910.4383.5
中地区

チーム名関係選手



勝率
1ブリュワーズ16292700.568
2カブス鈴木誠也16283790.5129
3レッズ16282800.5061
4パイレーツ16276860.4696
5カージナルスラーズ・ヌートバー16271910.4385
西地区

チーム名関係選手



勝率
1ドジャース162100620.617
2Dバックス16284780.51916
3パドレスダルビッシュ有16282800.5062
4ジャイアンツ16279830.4883
5ロッキーズ162591030.36420
ワイルドカード

チーム名関係選手



勝率
1フィリーズ16290720.5556+5.5
2マーリンズ16184770.5217+0.5
3Dバックス16284780.51850
4カブス鈴木誠也16283790.51231
5レッズ16282800.50621
5パドレスダルビッシュ有16282800.50620
7ジャイアンツ16279830.48773
8パイレーツ16276860.46913
9メッツ千賀滉大16174870.45961.5
10カージナルスラーズ・ヌートバー16271910.43833.5
10ナショナルズ16271910.43830
12ロッキーズ162591030.364212

MLBワイルドカードとは?

MLBは、ア・リーグとナ・リーグの2リーグ制でレギュラーシーズンを競います。

各チームのレギュラーシーズン162試合の結果からポストシーズンとなるプレーオフトーナメントに進出するチームが決まります。

プレーオフに出場するのは、各リーグの各地区の1位チームと各リーグのワイルドカード争いの上位勝率3チームです。

レギュラーシーズンの対戦数

MLBのレギュラーシーズンでは、162試合の内、同一リーグ内で116試合行い、別リーグチームとの交流戦を46試合行う組み合わせで行われています。

対戦内容は、次の通りです。

同地区内計52試合
(4チームと各13試合)

同リーグの他地区相手に計64試合
(4チームと各7試合、6チームと各6試合)

交流戦(インターリーグ)を計46試合
(各チームと各3〜4試合)

ワイルドカード

レギュラーシーズン162試合の勝敗で各リーグの各地区の順位を競います。

各地区で1位になれば、自動的にプレーオフに進めます。

それ以外のチームは、各リーグの全体で勝率の高い3チームが勝ち抜けできます。

(2012年〜2021年までは上位2チーム、2022年〜は3チームに拡大)

この各地区1位を除くチームの勝率競争がワイルドカード争いとなります。

プレーオフに進出できるチームは、

各リーグの各地区1位のチーム(計6チーム)

各リーグで地区1位を除き、勝率上位3チーム(計6チーム)

となり、計12チームがプレーオフに進出します。

更にプレーオフ進出チームを次の通り成績順にシードします。

第1シード枠:各リーグの地区優勝チームで勝率1位

第2シード枠:各リーグの地区優勝チームで勝率2位

第3シード枠:各リーグの地区優勝チームで勝率3位

第4シード枠:各リーグのワイルドカードで勝率1位

第5シード枠:各リーグのワイルドカードで勝率2位

第6シード枠:各リーグのワイルドカードで勝率3位

下表は、例としてア・リーグの成績によるプレーオフ進出チームとシード枠の決まり方を示したものです。

例:プレーオフ進出チームの決まり方

ワイルドカード争いで同率になった場合

上記のように各チームの勝率に差が出た場合は良いのですが、複数チームが同率になる可能性があります。

もしワイルドカード3位が2チーム同率の場合は、

2021年以前は『ワンゲームプレーオフ』と呼ばれるシーズン163試合目となるゲームが行われていました。

2022年以降は対戦成績を数学的に評価し順位を決定する仕組みとなり『ワンゲームプレーオフ』は実施されない事になりました。

ワイルドカード争いで同率になった場合の数学的評価による順位の決め方は次のとおりです。

1)直接対決での対戦成績(勝率)

2)同地区内チームとの対戦成績(勝率)

3)同リーグ他地区チームとの対戦成績(勝率)

以下、NFLタイブレークルールに類似した成績比較が行われ決定します。

プレーオフトーナメント

上記の例で各チームがプレーオフに進出した場合のトーナメントは下図の通りになり、トーナメントの各回戦には次のシリーズ名が付いています。

1回戦:ワイルドカードシリーズ3試合:2試合先勝

2回戦:ディビジョンシリーズ5試合:3戦先勝

準決勝:リーグチャンピオンシップシリーズ7試合:4戦先勝

決勝:ワールド シリーズ7試合:4戦先勝

例:ア・リーグのプレーオフトーナメント表

2023シーズンMLBのチーム数