MLB(メジャーリーグベースボール)は、アメリカンリーグ(以下、ア・リーグ)とナショナルリーグ(以下、ナ・リーグ)の2リーグ制になっていて、各リーグ15チーム(計30チーム)それぞれが162試合のレギュラーシーズンを戦います。
レギュラーシーズンで上位に入り、リーグチャンピオンおよびワールドチャンピオンを目指します。
本記事では、MLBのワイルドカードとは何か、そしてプレーオフとの関係について説明し、ワイルドカード争いの現況について紹介します。
2023シーズンの日本関係メジャー登録選手
※最新の放送配信状況は各サービスの公式サイトにてご確認ください。
2023MLB地区順位とワイルドカード順位
ワイルドカードとは何かについて説明する前に2023シーズンのワイルドカード争いの現況を示します。
重要になってくるのは勝率です。
ア・リーグ地区順位とワイルドカード順位
ナ・リーグ地区順位とワイルドカード順位
MLBワイルドカードとは?
MLBは、ア・リーグとナ・リーグの2リーグ制でレギュラーシーズンを競います。
各チームのレギュラーシーズン162試合の結果からポストシーズンとなるプレーオフトーナメントに進出するチームが決まります。
プレーオフに出場するのは、各リーグの各地区の1位チームと各リーグのワイルドカード争いの上位勝率3チームです。
レギュラーシーズンの対戦数
2023年のレギュラーシーズンでは、162試合の内、同一リーグ内で116試合行い、別リーグチームとの交流戦を46試合行う組み合わせで行われています。
2023年の特徴は、各チームが両リーグの全チームと対戦がある点で、大谷翔平選手の影響があったとされています。(大谷翔平選手が全チームと対戦して、見れるようにしたのではと言われています)
対戦内容は、次の通りです。
・同地区内で計52試合
(4チームと各13試合)
・同リーグの他地区相手に計64試合
(4チームと各7試合、6チームと各6試合)
・交流戦(インターリーグ)を計46試合
(各チームと各3〜4試合)
ワイルドカード
レギュラーシーズン162試合の勝敗で各リーグの各地区の順位を競います。
各地区で1位になれば、自動的にプレーオフに進めます。
それ以外のチームは、各リーグの全体で勝率の高い3チームが勝ち抜けできます。
(2012年〜2021年までは上位2チーム、2022年〜は3チームに拡大)
この各地区1位を除くチームの勝率競争がワイルドカード争いとなります。
プレーオフに進出できるチームは、
・各リーグの各地区1位のチーム(計6チーム)
・各リーグで地区1位を除き、勝率上位3チーム(計6チーム)
となり、計12チームがプレーオフに進出します。
更にプレーオフ進出チームを次の通り成績順にシードします。
第1シード枠:各リーグの地区優勝チームで勝率1位
第2シード枠:各リーグの地区優勝チームで勝率2位
第3シード枠:各リーグの地区優勝チームで勝率3位
第4シード枠:各リーグのワイルドカードで勝率1位
第5シード枠:各リーグのワイルドカードで勝率2位
第6シード枠:各リーグのワイルドカードで勝率3位
下表は、例としてア・リーグの成績によるプレーオフ進出チームとシード枠の決まり方を示したものです。
ワイルドカード争いで同率になった場合
上記のように各チームの勝率に差が出た場合は良いのですが、複数チームが同率になる可能性があります。
もしワイルドカード3位が2チーム同率の場合は、
2021年以前は『ワンゲームプレーオフ』と呼ばれるシーズン163試合目となるゲームが行われていました。
2022年以降は対戦成績を数学的に評価し順位を決定する仕組みとなり『ワンゲームプレーオフ』は実施されない事になりました。
ワイルドカード争いで同率になった場合の数学的評価による順位の決め方は次のとおりです。
1)直接対決での対戦成績(勝率)
2)同地区内チームとの対戦成績(勝率)
3)同リーグ他地区チームとの対戦成績(勝率)
以下、NFLタイブレークルールに類似した成績比較が行われ決定します。
プレーオフトーナメント
上記の例で各チームがプレーオフに進出した場合のトーナメントは下図の通りになり、トーナメントの各回戦には次のシリーズ名が付いています。
1回戦:ワイルドカードシリーズ(3試合:2試合先勝)
2回戦:ディビジョンシリーズ(5試合:3戦先勝)
準決勝:リーグチャンピオンシップシリーズ(7試合:4戦先勝)
決勝:ワールド シリーズ(7試合:4戦先勝)
2023プレーオフトーナメントの日程
2023プレーオフトーナメントの日程が発表されています。
日本時間で記載。
ワイルドカードシリーズ:
10月4日〜
ディビジョンシリーズ:
10月8日〜
リーグチャンピオンシップシリーズ:
ア・リーグ10月16日〜
ナ・リーグ10月17日〜
ワールドシリーズ:
10月28日〜
詳細は下表の通りです。
シリーズ名 | ア・リーグ | ナ・リーグ |
---|---|---|
ワイルドカード シリーズ 3試合:2試合先勝 | 10月4日 10月5日 10月6日 | 10月4日 10月5日 10月6日 |
ディビジョン シリーズ 5試合:3戦先勝 | 10月8日 10月9日 10月11日 10月12日 10月14日 | 10月8日 10月10日 10月12日 10月13日 10月15日 |
リーグチャンピオンシップ シリーズ 7試合:4戦先勝 | 10月16日 10月17日 10月19日 10月20日 10月21日 10月23日 10月24日 | 10月17日 10月18日 10月20日 10月21日 10月22日 10月24日 10月25日 |
ワールドシリーズ 7試合:4戦先勝 | 10月28日 10月29日 10月31日 11月1日 11月2日 11月4日 11月5日 |
2023シーズンMLBのチーム数
2023シーズンのMLBは、ア・リーグとナ・リーグに3つの地区(東地区・中地区・西地区)があり、各地区に5チームが編成され、全体で30チームとなっています。
以下に2023シーズンを戦う各リーグ・各地区のチーム構成と所属する注目選手を示します。
ア・リーグ東地区
ア・リーグ東地区の5チームは以下の通りです。
チーム名称 | 本拠地球場名 (通称含む) | 注な選手 (WBC代表国など) |
---|---|---|
タンパベイ・ レイズ | トロピカーナ・ フィールド | ランディ・アロザレーナ(MEX) |
トロント・ ブルージェイズ | ロジャーズ・ センター | 菊池雄星(JPN) ゲレーロ・Jr(本塁打王) |
ニューヨーク・ ヤンキース | ヤンキー・ スタジアム | アーロン・ジャッジ(MVP) |
ボストン・ レッドソックス | フェンウェイ・ パーク | 吉田正尚(JPN) ルイス・ウリアス(MEX) |
ボルティモア・ オリオールズ | オリオール・ パーク | 藤浪晋太郎(JPN) セドリック・マリンズ(USA) |
ア・リーグ中地区
ア・リーグ中地区の5チームは以下の通りです。
チーム名称 | 本拠地球場名 (通称含む) | 注な選手 (WBC代表国など) |
---|---|---|
カンザスシティー・ ロイヤルズ | カウフマン・ スタジアム | サルバドール・ペレス (本塁打王・打点王) |
クリーブランド・ ガーディアンズ | プログレッシブ・ フィールド | ホセ・ラミレス (オールスター4回) |
シカゴ・ ホワイトソックス | ギャランティード・ レート・フィールド | ティム・アンダーソン (USA) |
デトロイト・ タイガース | コメリカ・パーク | ハビアー・バエズ (PRI) |
ミネソタ・ ツインズ | ターゲット・ フィールド | 前田健太(JPN) カルロス・コレア(PRI) |
ア・リーグ西地区
ア・リーグ西地区の5チームは以下の通りです。
チーム名称 | 本拠地球場名 (通称含む) | 注な選手 (WBC代表国など) |
---|---|---|
オークランド・ アスレチックス | オークランド・ コロシアム | |
シアトル・ マリナーズ | T-モバイル・パーク | フリオ・ロドリゲス(DOM) |
テキサス・ レンジャーズ | グローブ・ライフ・ フィールド | |
ヒューストン・ アストロズ | ミニッツ・ メイド・パーク | カイル・タッカー(USA) ホセ・アルトゥーベ(VEN) ジャスティン・バーランダー (サイ・ヤング賞) |
ロサンゼルス・ エンゼルス | エンゼル・スタジアム・ オブ・アナハイム | 大谷翔平(JPN) マイク・トラウト(USA) |
ナ・リーグ東地区
ナ・リーグ東地区の5チームは以下の通りです。
チーム名称 | 本拠地球場 (通称含む) | 注な選手 (WBC代表国など) |
---|---|---|
アトランタ・ ブレーブス | トゥルイスト・ パーク | マックス・フリード(投手GG) |
ニューヨーク・ メッツ | シティ・ フィールド | 千賀滉大(JPN) エドウィン・ディアス(PRI) ジェフ・マクニール(首位打者) |
フィラデルフィア・ フィリーズ | シチズンズ ・バンク・ パーク | カイル・シュワーバー(本塁打王) トレイ・ターナー(首位打者) JT・リアルミュート(捕手GG) ブライス・ハーパー(MVP) |
マイアミ・ マーリンズ | ローンデポ・ パーク | サンディ・アルカンタラ (DOM) |
ワシントン・ ナショナルズ | ナショナルズ・ パーク |
ナ・リーグ中地区
ナ・リーグ中地区の5チームは以下の通りです。
チーム名称 | 本拠地球場名 (通称含む) | 注な選手 (WBC代表国など) |
---|---|---|
シカゴ・ カブス | リグレー・ フィールド | 鈴木誠也(JPN) ダンズビー・スワンソン (遊撃手GG) |
シンシナティ・ レッズ | グレート・ アメリカン・ ボール・パーク | |
セントルイス・ カージナルス | ブッシュ・ スタジアム | ラーズ・ヌートバー(JPN), ポール・ゴールドシュミット(MVP) ノーラン・アレナド(USA) |
ピッツバーグ・ パイレーツ | PNCパーク | |
ミルウォーキー・ ブリュワーズ | アメリカン ファミリー・ フィールド |
ナ・リーグ西地区
ナ・リーグ西地区の5チームは以下の通りです。
チーム名称 | 本拠地球場名 (通称含む) | 注な選手 (WBC代表国など) |
---|---|---|
アリゾナ・ ダイヤモンドバックス | チェイス・ フィールド | メリル・ケリー(USA) |
コロラド・ ロッキーズ | クアーズ・ フィールド | |
サンディエゴ・ パドレス | ペトコ・ パーク | ダルビッシュ有(JPN) マニー・マチャド(DOM) フアン・ソト(DOM) |
サンフランシスコ・ ジャイアンツ | オラクル・ パーク | |
ロサンゼルス・ ドジャース | ドジャー・ スタジアム | ムーキー・ベッツ(USA) フリオ・ウリアス(MEX) フレディ・フリーマン(CAN) |
MLBの日程と放送配信
2023年シーズンMLBの日程(日本時間)は、
レギュラーシーズン開幕:2023年3月31日
オールスターゲーム:2023年7月12日
【Tモバイル・パーク(シアトル・マリナーズの本拠地)】
レギュラーシーズン最終戦:2023年10月2日
ポストシーズン:10月4日〜
となっており、ワールドチャンピオンが決定します。
ワイルドカードシリーズ:
10月4日〜
ディビジョンシリーズ:
10月8日〜
リーグチャンピオンシップシリーズ:
ア・リーグ10月16日〜
ナ・リーグ10月17日〜
ワールドシリーズ:
10月28日〜
放送配信サービスは次の通りです。
2023年
【JSPORTS】
BSスカパーで放送のJSPORTS1〜4の4チャンネル
エンゼルス戦を中心に1日2試合程度を放送(再放送あり)
有料放送。(JSPORTSオンデマンドではMLB試合の配信なし)
ネット配信なし。遠隔視聴にも制限あり。
録画可能。日本語解説。
【NKH】
主にBS1で放送。(BS1サブチャンネル併用)
エンゼルス戦および日本人投手先発試合を1日2試合程度放送(再放送あり)
録画可能。日本語解説。
【ABEMA】
無料配信と有料プレミアム配信を併用
1日2試合程度配信
再配信はプレミアム。ダイジェスト配信は無料あり
日本語解説。
【SPOTV NOW】
有料配信。
U-NEXTで追加料金なしに利用できるサービスを展開。
1日8試合配信。日本人所属チームは大方網羅できる。
エンゼルス戦や日本人投手先発試合は日本語解説が多い。
ライブ配信中に追っかけ再生もできます。
見逃し配信で深夜の試合を早朝に倍速再生で視聴可能。
英語解説もあり。
【MLB.TV】
有料配信。
MLBの全試合を配信。
全て英語解説。
2022年実績
【Hulu】
2022年は配信。2023年は配信しない。
まとめ
2023MLBのレギュラーシーズンでは、地区1位となることが第1優先となりますが、他地区のチームの勝率を上回ることが、プレーオフに向けた第2の駆け引きとなってきます。
そしてワイルドカード順位によって、トレードデッドライン(2023シーズンは日本時間8月2日7時)では、プレーオフ向けたトレード補強が活発にオコなれることになります。
推しチームの地区順位と共にワイルドカード争いにも注目しましょう。
そしてMLBの放送配信で各チームを応援していきましょう。