MLB(メジャーリーグベースボール)はレギュラーシーズンを各チーム162試合を戦います。
連戦の続く過酷なシーズンを勝ち切りMLBの覇者となるためにトレードによる戦力補強は重要です。
2024年MLBトレードデッドラインでの移籍市場を予想します。
2024シーズンの日本関係メジャー登録選手
リーグ | チーム | 選手名 |
---|---|---|
ア・リーグ 東地区 | トロント・ブルージェイズ | 菊池雄星 |
ア・リーグ 東地区 | ボストン・レッドソックス | 吉田正尚 |
ア・リーグ 東地区 | タンパベイ・レイズ 3/28:ボストン・レッドソックスへ移籍 | 上沢直之 |
ア・リーグ 中地区 | デトロイト・タイガース | 前田健太 |
ナ・リーグ 東地区 | ニューヨーク・メッツ | 千賀滉大 |
ナ・リーグ 東地区 | ニューヨーク・メッツ | 藤浪晋太郎 |
ナ・リーグ 中地区 | シカゴ・カブス | 鈴木誠也 |
ナ・リーグ 中地区 | シカゴ・カブス | 今永昇太 |
ナ・リーグ 中地区 | セントルイス・カージナルス | ラーズ・ヌートバー |
ナ・リーグ 西地区 | サンディエゴ・パドレス | ダルビッシュ有 |
ナ・リーグ 西地区 | サンディエゴ・パドレス | 松井裕樹 |
ナ・リーグ 西地区 | ロサンゼルス・ドジャース | 大谷翔平 |
ナ・リーグ 西地区 | ロサンゼルス・ドジャース | 山本由伸 |
※予想は個人の意見であり、現実と乖離する場合があります。
参考)2023MLBのトレードデッドライン実績
MLBのトレードはシーズン当初から行われますがトレードデッドラインでは大物選手が動くケースがあります。
特にシーズン終了後にFAとなる大物選手が目玉となってきます。
2023年は大谷翔平もトレードが囁かれていましたが、エンゼルスに残留し、シーズン終了後にドジャースと契約しました。
解釈は色々ありますが、エンゼルスは得るもが無いまま、大谷翔平をタダで手放したようにも見えます。
参考)2023年の主な補強状況
参考まで2023シーズンのトレードデッドライン直前順位(地区順位およびワイルドカード順位)と各チームの補強状況は次の通りでした。
2023ア・リーグにおけるトレード獲得補強状況
ア・リーグ東地区 | |||||
順位 | チーム名 | 勝率 | WC 順位 | 補強選手 | 前所属チーム |
1 | オリオールズ | .613 | 地区 首位 | 藤浪晋太郎(投) J.フレアティ(投) | アスレチックス カージナルス |
2 | レイズ | .596 | 1 | A.シバーレ(投) | ガーディアンズ |
3 | ブルージェイズ | .551 | 3 | J.ヒックス(投) P.デヨング(内) G.カブレラ(投) | カージナルス カージナルス カージナルス |
4 | Rソックス | .528 | 4 | L.ウリアス(内) | ブリュワーズ |
5 | ヤンキース | .519 | 6 | K.ミドルトン(投) | Wソックス |
ア・リーグ中地区 | |||||
順位 | チーム名 | 勝率 | WC 順位 | 補強選手 | 前所属チーム |
1 | ツインズ | .505 | 地区 首位 | D.フローロ | マーリンズ |
2 | ガーディアンズ | .495 | 8 | N.シンダーガード | ドジャース |
3 | タイガース | .443 | 9 | ||
4 | Wソックス | .402 | 10 | ||
5 | ロイヤルズ | .299 | 11 | ||
ア・リーグ西地区 | |||||
順位 | チーム名 | 勝率 | WC 順位 | 補強選手 | 前所属チーム |
1 | レンジャーズ | .566 | 地区 首位 | A.チャプマン(投) M.シャーザー(投) J.モンゴメリー(投) C.ストラットン(投) A.ヘッジズ(捕) | ロイヤルズ メッツ カージナルス カージナルス パイレーツ |
2 | アストロズ | .561 | 2 | K.グレーブマン(投) J.バーランダー(投) | Wソックス メッツ |
3 | エンゼルス | .523 | 5 | L.ジオリト(投) R.ロペス(投) D.リオン(投) R.グリチック(外) CJ.クロン(内) M.ムスタカス(内) E.エスコバル(内) | Wソックス Wソックス メッツ ロッキーズ ロッキーズ ロッキーズ メッツ |
4 | マリナーズ | .519 | 6 | ||
5 | アスレチックス | .280 | 12 |
2023ナ・リーグにおけるトレード獲得補強状況
ナ・リーグ東地区 | |||||
順位 | チーム名 | 勝率 | WC 順位 | 補強選手 | 前所属チーム |
1 | ブレーブス | .644 | 地区 首位 | B.バンド(投) P.ジョンソン(投) N.ロペス(内) | ロッキーズ ロッキーズ ロイヤルズ |
2 | フィリーズ | .538 | 2 | M.ロレンゼン(投) R.カストロ(内) | タイガース パイレーツ |
3 | マーリンズ | .533 | 3 | J.バーガー(内) J.ベル(DH) D.ロバートソン(投) J.ロペス(投) | Wソックス ガーディアンズ メッツ ツインズ |
4 | メッツ | .476 | 8 | ||
5 | ナショナルズ | .421 | 11 | ||
ナ・リーグ中地区 | |||||
順位 | チーム名 | 勝率 | WC 順位 | 補強選手 | 前所属チーム |
1 | レッズ | .546 | 地区 首位 | S.モール(投) | アスレチックス |
2 | ブリュワーズ | .533 | 3 | Mカナ(外) A.チェイフィン(投) C.サンタナ(内) | メッツ D.バックス パイレーツ |
3 | カブス | .500 | 6 | J.カンデラリオ(内) J.クアス(投) | ナショナルズ ロイヤルズ |
4 | パイレーツ | .448 | 9 | ||
5 | カージナルス | .439 | 10 | ||
ナ・リーグ西地区 | |||||
順位 | チーム名 | 勝率 | WC 順位 | 補強選手 | 前所属チーム |
1 | ドジャース | .567 | 地区 首位 | L.リン(投) J.ケリー(投) R.ヤーブロー(投) A.ロサリオ(内) E.ヘルナンデス(内) | Wソックス Wソックス ロイヤルズ ガーディアンズ Rソックス |
2 | ジャイアンツ | .542 | 1 | AJ.ポロック(外) M.マティアス(内) | マリナーズ マリナーズ |
3 | Dバックス | .533 | 3 | P.シーウォルド(投) P.ストルゼレッキ(投) T.ファム(外) | マリナーズ ブリュワーズ メッツ |
4 | パドレス | .486 | 7 | 崔 志萬(DH) R.ヒル(投) G.クーパー(内) S.バーロー(投) | パイレーツ パイレーツ マーリンズ ロイヤルズ |
5 | ロッキーズ | .396 | 12 |
2024トレードデッドライン
MLBでは、レギュラーシーズン中にトレードできる最終日を『トレードデッドライン』として設けています。
トレードデッドラインは、年ごとにリーグの規則や労使協定によって異なる場合があるものの、通常は7月末(7月31日現地16時)となっています。
2024年のトレードデッドラインは次の日程となっています。
現地7月30日18時(日本時間7月31日7時)
トレードデッドラインが7月末である理由
通常7月末がトレードデッドラインとなっている理由は、この時期がシーズンのチーム成績を見定められる頃だからです。
この時期になるとワールドチャンピオンを狙えない成績のチームが出てきます。そんなチームは来季構想を優先してトレードを模索します。一方、ワールドチャンピオンを狙いたいチームは、不足する戦力を分析し、即戦力となる選手を獲得しチーム力アップを考えます。
両者の思惑が一致しやすいため、トレードが多くなります。
MLBは30球団あり、複数球団を跨いだトレードも実現します。
トレードデッドラインが必要な理由
8月以降は、ポストシーズン出場の可能性がさらに絞り込まれます。終盤になってから少ないチームで補強競争が起こると、トレードの成否がポストシーズンに大きな影響を及ぼす事になり、不公平な戦力補強が生じる可能性が出てきます。本来の競争の面白さが削がれては意味がありません。
また、トレード対象となる選手の精神的な負担は、トレードデッドラインを超えることによって解消されるため、プレーに集中できる様になります。
これらの理由から、MLBのトレードデッドラインが設けられています。
トレードデッドライン以降のトレード
そうは言っても、トレードデッドライン以降にトレードとなる場合も出てきます。
MLBのメジャー契約は40人ロースター枠の選手です。その中でベンチ入りする選手は26人のアクティブロースターです。
ベンチに入らない14人の選手は、メジャー契約選手として、マイナーの試合で調整しながら、アクティブロースター入りを目指しています。
トレードデッドラインの対象は、40人のロースター選手であり、それ以外のマイナー契約選手は年中トレードが可能です。
そしてロースターは固定では無く、入れ替えが起こります。ロースターを外された選手は、ウェーバー公示と呼ばれる権利放棄選手となります。通常、戦力外と報道されるのがロースターを外されウェーバー公示された状態を示しています。
ウェーバー公示された選手は、その選手に興味を示した球団が獲得する場合もあれば、マイナー契約する場合、自由契約になる場合もあります。
トレードを拒否できる選手
MLBのトレードは球団が決めるのですが、トレード拒否権を持つ選手もいます。
アクティブロースター10年相当以上やチーム所属5年以上の選手です。
それ以外に、契約時にトレード拒否に関する事項を決めている選手もいます。
そのような選手は、トレードを拒否できます。
MLBのトレード
2024シーズンの7月末時点の成績からトレード市場で買い手になるか売り手になるかに分かれますが、トレードデッドライン以降に8月9月の60試合程度が残っているため、買い手になるのか売り手になるのかは、各チームのオーナーが経営判断する部分になります。
また、MLBのメジャー選手(ロースター枠の選手)は、3年で年俸調停の権利を得ます。
年俸調停で契約合意しない場合は、ノンテンダーFA選手となり、他球団への移籍が可能となります。
また、正式なFA権はメジャー6年(ロースターに6年在籍)で権利を得ます。
シーズン後にFAの権利を得る選手は、FA後に自由に他球団と契約交渉できます。
再契約を提示して合意する場合もありますが、合意できない場合に得るものがないまま選手が出ていくことにもなることから、トレード要員とした方が得だと考える場合があります。
トレードデッドライン時点で成績不振のチームは、来季の戦力を整えるために、FAとなる大物選手をトレード要員にして、来季の構想を整えたいと思います。
大物選手をトレードに出す場合、来季の戦力ダウンとなるかもしれませんが、優勝争いしているチームは大物選手の獲得の見返りに若手の有望株(トッププロスペクト含む)を数名放出する可能性もあり、将来の戦力アップと大物放出を天秤に掛けて判断します。
2024トレード予想
現時点(6月下旬)ではトレードデッドラインまで1ヶ月半程度残っており、チームの勢いは不透明な部分が多いのですが、現状から買い手と売り手を想定します。
トレード市場の買い手チーム
地区優勝およびWC(ワイルドカード)上位3チームがポストシーズンに進みます。
ポストシーズン進出を目指す主なチーム
ア・リーグ:
地区優勝:ヤンキース、ガーディアンズ、マリナーズ
WC争い:オリオールズ、ロイヤルズ、ツインズ、Rソックス、レイズ
ナ・リーグ:
地区優勝:フィリーズ、ブリュワーズ、ドジャース
WC争い:ブレーブス、パドレス、Dバックス、カージナルス、ナショナルズ、メッツ
トレード市場の売り手チーム
ポストシーズンへの進出を諦め、来シーズン以降のチーム編成に動くのは下位のチームです。
ア・リーグ:
Wソックス、アスレチックス、エンゼルス、ブルージェイズ
ナ・リーグ:
ロッキーズ、マーリンズ、ジャイアンツ
トレード市場に出てきそうな選手
トレード市場に出てくる選手は、チーム成績の他に契約期間も影響してきます。
シーズン後にFAになる選手はトレード候補になってきます。
日本選手では、ブルージェイズの菊池雄星です。
2024年シーズン後にFAとなることもありトレードデッドラインでの動きが注目されます。
また、IL中ですが元気なメッツ藤浪晋太郎が交換要員となるのかも楽しみなところです。
以上のような状況から予想するトレード候補は次の通りです。
ポジション | トレード候補 |
---|---|
先発投手 | ギャレット・クローシェ(Wソックス) ロス・ストリプリング(アスレチックス) アレックス・ウッド(アスレチックス) タイラー・アンダーソン(エンゼルス) 菊池雄星(ブルージェイズ) キャル・クワントリル(ロッキーズ) ヘスス・ルザード(マーリンズ) |
救援投手 | ジョン・ブレビア(Wソックス) メイソン・ミラー(アスレチックス) カルロス・エステベス(エンゼルス) ルイス・ガルシア(エンゼルス) マット・ムーア(エンゼルス) イミ・ガルシア(ブルージェイズ) ジャレン・ビークス(ロッキーズ) タナー・スコット(マーリンズ) タイラー・ロジャーズ(ジャイアンツ) テイラー・ロジャース(ジャイアンツ) 藤浪晋太郎(メッツ) |
捕手 | ダニー・ジャンセン(ブルージェイズ) エリアス・ディアス(ロッキーズ) |
内野手 | ポール・デジョング(Wソックス) ブランドン・ドルーリー(エンゼルス) ジャスティン・ターナー(ブルージェイズ) ブレンダン・ロジャーズ(ロッキーズ) ジョシュ・ベル(マーリンズ) ラモント・ウェード(ジャイアンツ) |
外野手 | トミー・ファム(Wソックス) ルイス・ロベルトJr.(Wソックス) ミゲル・アンドゥハー(アスレチックス) テイラー・ウォード(エンゼルス) ジャズ・チザム(マーリンズ) マイケル・コンフォート(ジャイアンツ) |