4Kテレビを購入する時にどのメーカーのどのグレードにしようか迷うと思います。
メーカー毎に色々な名前の技術が搭載されていて、難しい言葉も多くて何が違うのか判りません。
本記事では、4K液晶テレビのメーカーラインナップのグレードによる機能を比較し、使い方別おすすめ機種を紹介します。
参照するメーカーは、ソニー,パナソニック,東芝,シャープ,ハイセンス,LGとなります。
※最新の情報は各メーカーおよびサービスの公式サイトで確認の上、ご利用ください。
4K液晶テレビをメーカー比較
4Kテレビは高画質が売りなんですが、メーカーによって液晶パネルも違えば、映像処理方法も違うなど、高画質化する方法は夫々で特徴があります。
以下の項目についてメーカー毎による違いを見ていきます。
・液晶パネル
・高画質化映像処理技術
・音響性能
・ネット機能
液晶パネル
液晶パネルは映像を見る部分になり、テレビで一番大切な装備です。
液晶パネルにも違いがありますが、LEDバックライトの使い方が映像の見え方を左右する重要な要素になっていています。
液晶パネルの方式
先ずは液晶パネルの表示方式についてですが、テレビに使用されている主な方式は
VA方式TFT液晶パネル:ソニー,東芝,シャープ,ハイセンス
IPS方式TFT液晶パネル:パナソニック,LGエレクトロニクス
です。
性能の違いを簡単に言えば
【VA方式TFT液晶パネル】
黒が確り表現できてコントラスト(明暗や彩度)が良いので明暗を表現しやすい。
斜めから見ると角度によって色や輝度の変化が出てしまう。
【IPS方式TFT液晶パネル】
斜めから見ても、色の変化や輝度の変化が少ない。
黒付近の色の表現が苦手で明暗の差を表現しにくい。
となります。
ただし、メーカーでは各パネルが不得意としている部分を技術で克服しています。
例えばVAパネルでは
【直下型LEDバックライト】
エッジ型は画面側面にLEDバックライトを配置しているのに対して、画面背面直後に配置する方法。
エッジ型は光が不均一になりやすい。
直下型は光のムラが出にくい。
VA方式では更にコントラストが高くなって斜めからの見え方が改善する。
【LEDバックライト制御】
LEDバックライトを細かく制御して、複数の光学的要素を組み合わせることで斜めからの見え方を改善しています。
IPSパネルでは
【LEDの向上と制御技術の進化】
IPS方式ではバックライトに使うLEDの性能が向上し、それを制御する技術も進化したことでコントラストが向上し明暗の差を表現できるようになった。
結論として、
技術投入されたグレードのモデルを買えばVA方式でもIPS方式でも性能差はない
と言うことです。
テレビとしての評価を考えると液晶パネル自体の性能も必要ですが、映像信号処理によって見え方は変わってくるので映像処理性能と合わせて評価するべきです。
高画質化映像処理技術
高画質化のための映像処理技術は種類が多くて、特に判りにくいところです。
技術の名前もメーカーごとに違い、性能差も映像となった結果で好みが分かれるので、これが良いなんて評価が難しいところです。
ここでは、高画質化映像処理技術の種類を区分し、各メーカーでグレードごとに設定している機能を比較していきたいと思います。
高画質化プロセッサー
映像処理エンジンは順次改良されたものが上位グレードのモデルに投入されます。
各メーカーのグレードによる主な映像処理エンジンを見るとスタンダードモデル以上に(新しい)高性能な映像処理エンジンを搭載しています。
4K画質を決める重要な部分なので手を抜けない部分なので上位モデルの映像処理エンジンが各メーカーの提供できるベストなものであることが判ります。
4Kテレビを選ぶ際にスタンダードモデル以上を購入することで、最新技術で得られる4Kで高精細な画質を楽しめることになります。
4Kらしい高精細な画質を期待するならスタンダードモデル以上を選択
地デジアップコンバート機能
視聴機会の多い地デジは解像度が2K相当なのですが、4Kテレビで見る場合は視聴距離が近くなるのでそのままでは画素の粗さが目立ってしまいます。
そこで地デジを4K画面でみても奇麗に見えるようにするには、高画質化技術によりアップコンバートします。日本で普段使いするのであれば地デジ環境も最適にして欲しいところです。
また、4Kにアップコンバートが必要なのは地デジだけでなく、2K相当の衛星放送やネットコンテンツも同じなので、アップコンバートによる高画質化機能がないと映像の破綻が目立ってフルHDテレビで見た方が綺麗だったなんて逆転したレビューが多く出てきてしまいます。
この部分では東芝の4Kテレビの4Kアップコンバート機能が評判が良いようです。
それ以外でも、東芝の技術が投入されているハイセンス、綺麗で鮮やかなソニー,リアルな色調のパナソニックと各社特徴を出してきている部分なので好みの特性のものを選択できます。
地デジをよく見る場合は日本メーカーが安定した画質を提供してくれる
倍速表示
倍速表示は1秒に60コマ表示している映像のコマ数を増やして、より滑らかに見えるようにするものです。120コマに増やすせば2倍速表示と言います。
倍速表示には倍速駆動と倍速機能があります。
【倍速駆動】
映像コマ間に前後の映像とつながりの良い画像を作って挟むことでコマ数を2倍にする機能で滑らかな映像にできる
【倍速機能】
LEDを点滅させてコマの中にブラックフレームを挟んでフレーム数を増やし残像を感じさせないようにする機能
【倍速駆動+倍速機能】
低位モデルでは【倍速機能】だけを利用するテレビが多くあります。
高位モデルでは【倍速駆動】に【倍速機能】を掛けあわせて4倍速以上の性能としているモデルが多くあります。
各メーカーのエントリーモデルには倍速表示できないものがあります。
倍速表示だとしても倍速機能と呼ばれる倍速相当処理となります。
残像を軽減できる有効な機能ですが、映像を滑らかにつなぐコマを増やしているわけではないので、性能としては倍速駆動が最適です。
スポーツやアクション映画,ゲームなど動きの速い映像をよく見る場合は倍速駆動+倍速機能で残像を極小化できるモデルを選択したほうが良いことになります。
動きの速い映像には、【倍速駆動】+【倍速機能】のモデルを選択
HDR機能
HDRは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略です。
鮮明な色彩で美しい映像を表現する技術で、明るさや暗さを広い幅で現実に近づけて表現する規格です。
映像コンテンツがHDR規格で色彩や明暗を幅広く使って制作されたものであっても、テレビが規格に対応していないと、その表現を映像にできません。
HRD規格には【HDR10】【HDR10+】【Dolby Vision】【HLG】などがありますが、映画などは【HDR10】が標準的な規格、放送は【HLG】が標準的な規格になるので、【HDR10】と【HLG】に対応していれば良いことになります。
また、HDR規格で制作されていない映像に対して映像処理技術によってHDRで制作したかのように再現してくれる疑似的なHDR機能が搭載されているモデルも多くあります。
意図しないHDR効果が必要かは好みになるところで、疑似HDR機能はオン/オフできるようになっています。
当面は【HDR10】と【HLG】に対応していれば良い
音響性能
現代のテレビは薄く縁が少ないスタイリッシュな形になっています。
「このテレビの音は聞いてられない」と言う意見を聞きますが、テレビの限られたスペースで過大な期待は無理があるようにも思えます。
テレビの音響性能を基準に選ぶのは難しいと考えます。
まず、聞き取り易い音であることが最低限の判定基準になります。
本当に求めるものが音響性能である場合は、サウンドバーを利用したり、できれば本格的なAVアンプ+外部スピーカーを導入することをおすすめします。
音響性能を基準にテレビは選択しない
ネット機能
ネットコンテンツが溢れている社会なので、ネットコンテンツを利用することでテレビの利用価値が格段に向上しています。
ネットコンテンツも大画面で見ることのできる品質のものが多くあります。
ほとんどのメーカーで【YOUTUBE】【Amazon Prime】【Netflix】【Hulu】【U-Next】が利用できます。Amazon Fire TVデバイスなどで後付けできるので、コンテンツの数やこれが無いとダメなんてことも無いと考えます。
ネット機能でテレビを選ぶ必要は無い
各機能による4K液晶テレビの選び方まとめ
これまで見てきた機能に対する4K液晶テレビの選び方をまとめます。
技術投入された高グレードモデルを買えばVA方式でもIPS方式でも関係ない
4Kらしい高精細な画質を期待するならスタンダードモデル以上を選択
地デジをよく見る場合は日本メーカーが安定した画質を提供してくれる
動きの速い映像には、【倍速駆動】+【倍速機能】のモデルを選択
当面は【HDR10】と【HLG】に対応していれば良い
音響性能を基準にテレビは選択しない
ネット機能でテレビを選ぶ必要は無い
4K液晶テレビおすすめ3選
3つの使い方を想定して4K液晶テレビのおすすめを紹介します。
4K放送中心に幅広く利用する人の4K液晶テレビ
4K放送中心に幅広く利用したい人は、パナソニックHX900シリーズをおすすめします。
映像処理エンジンにパナソニックのハイグレードエンジンである[ヘキサクロマドライブ]を搭載、[素材解像度検出 4Kファインリマスターエンジン]で地デジもネット動画も綺麗にアップコンバートしてくれます。
[オブジェクト検出 倍速表示]+[クリアモーション]で速い動きも残像の少ないくっきり映像にしてくれます。
IPSパネルなので視野角が広く、リアルな色彩で長時間の視聴でも疲れにくい、バランスの良いオールマイティーな4K液晶テレビです。
HX900シリーズの市況価格は、
55V型:約13万円,65V型インチ:約19万円,75V型:約25万円です。
参考に上位モデルHX950シリーズの市況価格は、
55型V:約16万円,65V型:約23万円,75V型:設定なし
【補足説明】パナソニックサイトの解説を参照
地デジをよく見る人の4K液晶テレビ
地デジへの対応は東芝Z740Xシリーズ以外にないと言っても良いおすすめモデルです。
映像処理エンジンに[レグザエンジンCloud PRO]を搭載し、番組に適した映像処理パラメータをCloudから取得。そして地デジを綺麗に見せる地デジAIビューティPROを搭載。
更に地デジをガンガン録画できるタイムシフトマシンとしても大活躍します。
暇な時に見たかった番組を綺麗な映像で楽しめます。
タイムシフトマシンについては関連記事でも紹介しています。
Z740Xシリーズの市況価格は
50V型:約13万円,55V型:約16万円,65V型:約22万円です。
【補足説明】東芝の解説を参照
スポーツを見るのが好きな人の4K液晶テレビ
スポーツを見るには、速い動きを滑らかにくっきり見せてくれる倍速表示が優秀なソニーのスタンダードモデルがコスパ最強です。
更に画像が鮮明で色彩がきれいなソニーの4K液晶テレビは買って後悔しない選択になります。
モデルはX8550Hシリーズです。
倍速駆動+倍速機能で4倍速相当の倍速表示で、映像処理エンジンに4K高画質プロセッサー「HDR X1」搭載、超解像エンジン「4K X-Reality PRO」で地デジもネット動画も綺麗にアップコンバートしてくれます。
鮮やかな発色はNo1ですし、操作性の良いAndroidTVがテレビの利用概念を変えてくれます。
X8550Hシリーズの市況価格は
55V型:約13万円,65V型:約18万円です。
上位モデルのX9500シリーズの市況価格は、
55V型:約16万円,65V型:約23万円です。
HX950シリーズは、LED点滅制御を進化させたX-Motion Clarity(エックス モーション クラリティー)を搭載しているので、よりベストになります。
予算がある方は最上位モデルが最適になります。
【補足説明】ソニ-サイトの解説を参照
まとめ
4Kテレビを購入する際には、まず量販店で見比べて、好きな画質のメーカーを2社程度に絞ると良いと思います。
使い方によって必要な機能が違ってくるので、機能が付いている機種を探し、予算と合わせてグレードを決定すると上手くマッチングできると考えます。