MLBのトレード事情!大物選手がトレードとなる理由

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MLB(メジャーリーグベースボール)は、アメリカンリーグ(以下、ア・リーグ)とナショナルリーグ(以下、ナ・リーグ)の2リーグ制になっており、レギュラーシーズンの試合数は、交流戦を含め162試合です。

NPBの様に毎週月曜日が休みと言うことは無く、シーズン中は連戦が続き、連戦中のダブルヘッダーも行われます。

そんな過酷なシーズンを勝ち切りMLBの覇者となるための戦力補強にトレードは重要な役割を果たします。

トレード理由は様々になりますが、大物選手もトレードの対象になりやすいMLBのトレード事情を解説します。

MLBのトレードは当たり前

MLBでトレードは当たり前ですが、レギュラーシーズン中のトレードを制限するために、トレードできる最終日を『トレードデッドライン』として設けています。

トレードデッドライン(トレード期限)とチーム成績

トレードデッドラインは、年ごとにリーグの規則や労使協定によって異なる場合があるものの、通常は7月末となっています。

[2025年は現地7月31日18時(日本時間8月1日7時)がトレードデッドラインとなりました]

通常7月末がトレードデッドラインとなっている理由は、この時期がシーズンのチーム成績を見定められる頃だからです。

この時期になるとワールドチャンピオンを狙えない成績のチームが出てきます。そんなチームは来季構想を優先してトレードを模索します。一方、ワールドチャンピオンを狙いたいチームは、不足する戦力を分析し、即戦力となる選手を獲得しチーム力アップを考えます。

両者の思惑が一致すれば、トレードが成立し易くなります。30球団もあるMLBなので、3球団を跨いだトレードなども実現します。

トレードデッドラインが必要な理由

8月以降は、ポストシーズン出場の可能性がさらに絞り込まれていきます。そんな段階で、絞り込まれた少ないチームで補強競争が起こると、トレードの成否によってポストシーズンに向けた影響が大きくなりすぎるため、不公平な戦力補強が生じる可能性が出てきます。本来の競争の面白さが削がれては意味がありません。

また、トレード対象となる選手の精神的な負担もトレードデッドラインによって解消され、プレーに集中できる様になります。

これらの理由から、MLBのトレードデッドラインが設けられています。

トレードデッドライン以降のトレード

そうは言っても、トレードデッドライン以降にトレードとなる場合も出てきます。

MLBは、40人のロースター枠があり、メジャー契約する選手となります。その中の26人はアクティブロースターと呼ばれるベンチ入りメンバーになります。

ベンチに入らない14人の選手は、メジャー契約選手として、マイナーの試合で調整しながら、アクティブロースターに呼ばれるように頑張ります。

トレードデッドラインの対象は、ロースターの40人の選手であり、マイナー契約選手は年中トレードが可能です。

そしてロースターは固定では無く、入れ替えが起こります。ロースターを外された選手は、ウェーバー公示と呼ばれる権利放棄選手となります。通常、戦力外と報道されるのがロースターを外されウェーバー公示された状態を示しています。

ウェーバー公示された選手は、その選手に興味を示した球団が獲得する場合もあれば、マイナー契約する場合、自由契約になる場合もあります。

大物選手を放出する理由

MLBでは、大物選手を放出するケースが多く見られます。

年俸調停とFA権がトレードに直結

MLBのメジャー選手(ロースター枠の選手)は、3年で年俸調停の権利を得ます。

年俸調停で契約合意しない場合は、ノンテンダーFA選手となり、他球団への移籍が可能となります。

また、正式なFA権はメジャー6年(ロースターに6年在籍)で権利を得ます。

今後FAの権利を得る選手は、FAにより自由に他球団と契約できることになるので、選手を保有して来た球団は、再契約を提示して合意するか、選手を放出するかの選択になってきます。選手と合意できない場合は、得るものがないまま、選手が出ていくことにもなることから、トレード要員とした方が得だと考える場合があります。

このため、トレードデッドラインまでに成績不振のチームは、来季の戦力を整えるために、FAとなる大物選手をトレード要員にして、来季構想に当てはまる選手の獲得を優先します。大物選手のFA獲得は、トレード先でも同じことですが、多くの場合、優勝争いのため大物選手が必要な戦力と考えるチームが相手となり、FAの有無よりもチームをワールドチャンピオンに導いてくれることを期待します。

トレードは拒否できるの?

MLBのトレードは球団が決めるのですが、トレード拒否権を持つ選手もいます。

アクティブロースター10年相当以上チーム所属5年以上の選手です。

それ以外に、契約時にトレード拒否に関する事項を決めている選手もいます。

そのような選手は、トレードを拒否することができます。

まとめ

トレードデッドラインが迫る度に、大物選手のトレードが噂されますが、交渉は水面下で行われ、発表されたトレードを見て大騒ぎするのが常です。

FA・年俸調停による年俸アップは選手の権利であり、トレードは球団の権利のように捉えることもできますが、日本的に考えれば、相思相愛の関係で、プレイしやすい環境を選んで、最大のパフォーマンスを見せて欲しいとも思います。

それでも、どんなトレードが発表されるのかを見るのもMLBの楽しさの一つであることは否定できません。噂のあの超大物選手の行方は・・・。