2023MLBメジャー 規定打席数と規定投球回数を説明!隠れ首位打者って何?

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MLBの個人成績を見ると、ものすごく打率が良いのに順位に入っていない選手がいます。

防御率でも同様です。

これは規定打席数や規定投球回数に到達していないため、順位に入っていないと考えられます。

本記事では、規定打席数と規定投球回数について簡単に紹介します。

※本記事の情報は2023年10月時点のものです。
※現時点の正確な情報は各放送配信およびサービスサイトで確認の上、ご利用ください。

規定打席数って何?

規定打席数は、打者成績の中で『率』を評価するために必要になります。

少ない打席数での打率は、数字が良くても、実力として見て良いのか評価できないため、一定以上の打席数での打率などを評価することになっています。

規定打席数は、MLBおよびNPB共に共通で、所属チームの試合数×3.1 で計算します。

2023MLBのレギュラーシーズンは、各チームが162試合を戦う予定のため、シーズン終了時には162×3.1=502.2 となります。

四捨五入で502打席以上の打者の打率などを『率』評価して順位を決めています。

シーズン途中の場合、所属チームの消化試合数×3.1 をクリアした選手が成績表に記載されるようになります。

規定打席数=試合数×3.1

2023シーズンの日本関連選手の打撃成績(規定打席過不足)は関連記事で確認してください。

規定投球回数って何?

規定投球回数は、投手成績の中で『率』を評価するために必要になります。

少ない投球回数数での防御率は、数字が良くても、実力として見て良いのか評価できないため、一定以上の投球回数での防御率などを評価することになっています。

規定投球回数は、MLBおよびNPB共に共通で、所属チームの試合数で計算します。

2023MLBのレギュラーシーズンは、各チームが162試合を戦う予定のため、シーズン終了時には162投球回となります。

162投球回以上を投げ抜いた投手の防御率などを『率』評価して順位を決めています。

シーズン途中の場合、所属チームの消化済み試合数以上の投球回をクリアしている選手が成績表に記載されるようになります。

規定投球回数=試合数

2023シーズンの日本関連選手の登板成績(規定投球回過不足)は関連記事で確認してください。

隠れ首位打者とは

シーズン終盤に入ると先述した規定打席数や規定投球回数に到達して、首位打者争いが話題になると、隠れ首位打者の話が持ち上がることがあります。

隠れ首位打者とは、まだ規定打席数に達していない選手の中で、最近の出場機会を見て、最終的に規定打席数に到達すると予測される選手の中で成績の良い選手がいた場合に使われる言葉になります。

例えば、シーズン120試合を消化している場合、120×3.1=372打席がそこまでの規定打席数となります。

シーズン終了まで42試合が残っている状態なので、フル出場して1試合あたり4打席の出場があれば、168打席が増えることになります。

そこで規定打席数に達している選手で首位打者に立っている選手の成績が

480打席400打数140安打=3割5分0厘

だった場合に、下記のような規定打席数に達しない選手がいたとします。

340打席300打数110安打=3割6分7厘

この選手は、現状340打席で規定打席数372打席には到達していないため、打率順位を評価されていません。

しかし、シーズン終了までフル出場すると168打席程度が積み上がる可能性があり、シーズン終了時に必要な502打席を上回る508打席に達することになります。

このような場合に、順位として評価されていないが、最終的に首位打者を獲得する可能性があるため、隠れ首位打者と表現されます。

【実例】

2023年8月末(日本時間)時点の首位打者は、レイズのヤンディ・ディアス選手(32歳)で、3割2分7厘と好調を維持しています。

しかし、規定打席に達していない隠れ首位打者がいます。

レンジャーズのコリー・シーガー(29歳)は、8月末時点で411打席361打数125安打で3割4分6厘と高打率となっています。

チームは133試合を消化済み、規定打席数は412打席です。

次の試合で4打席立てば、規定に到達すると考えられます。

シーズン規定打席502打席までを見ても残り91打席と少なく、レンジャーズの残り29試合でコンスタントに出場できれば問題なく規定をクリアできる状況です。

2023MLB個人成績

2023年のMLBにおける投打の個人成績は以下のようになっています。

打者成績

日本人関係選手の規定打席現況

2023シーズン成績:2023年10月2日(日本時間)までの成績は次の通り

選手名チーム
(リーグ)
出場
試合














O
P
S

消化済
試合数
規定
打席
過不足
吉田正尚Rソックス(ア)1405805371551572813478.338.445.783.28916278
大谷翔平エンゼルス(ア)135599497151449514391320.412.6541.066.30416297
鈴木誠也カブス(ナ)13858351514720741305926.357.485.842.28516281
ラーズ・
ヌートバー
カージナルス(ナ)11750342611114469972111.367.418.784.2611621

※シーズン規定打席は、162試合✖️3.1=502打席

2023MLB個人打撃成績(TOP3+日本関係選手)

各リーグの打撃3タイトルのTOP3および日本関係選手成績を記します。

※同数の場合、一部選手は記載省略
2023MLB ア・リーグ 打撃成績

2023年10月2日(日本時間)までの成績

打率
1ディアスレイズ.330
2シーガーレンジャーズ.327
3ビシェットブルージェイズ.306
4大谷エンゼルス.304
本塁打
1大谷エンゼルス44
2ガルシアレンジャーズ39
3ロベルトWソックス38
吉田Rソックス15
打点
1タッカーアストロズ112
2ガルシアレンジャーズ107
3ロドリゲスマリナーズ103
14大谷エンゼルス95
36吉田Rソックス72
OPS
1大谷エンゼルス1.066
2シーガーレンジャーズ1.013
3ディアスレイズ.932
26吉田Rソックス.783
得点圏打率
1シーガーレンジャーズ.385
2ディアスレイズ.365
3ビシェットブルージェイズ.364
9大谷エンゼルス.317
34吉田Rソックス.266
安打数
1セミエンレンジャーズ185
2ロドリゲスマリナーズ180
3ウィットJr.ロイヤルズ177
18吉田Rソックス155
22大谷エンゼルス151
盗塁数
1ルイーズアスレチックス67
2ウィットJr.ロイヤルズ49
3ロドリゲスマリナーズ37
20大谷エンゼルス20
吉田Rソックス8
2023MLB ナ・リーグ 打撃成績

2023年10月2日(日本時間)までの成績

打率
1アラエスマーリンズ.354
2アクーニャブレーブス.337
3フリーマンドジャース.331
9鈴木カブス.285
40ヌートバーカージナルス.261
本塁打
1オルソンブレーブス54
2シュワバーフィリーズ47
3アロンソメッツ46
46鈴木カブス20
ヌートバーカージナルス14
打点
1オルソンブレーブス139
2アロンソメッツ118
3アルビーズブレーブス109
40鈴木カブス74
ヌートバーカージナルス46
OPS
1アクーニャブレーブス1.012
2オルソンブレーブス.993
3ベッツドジャース.987
15鈴木カブス.842
37ヌートバーカージナルス.784
得点圏打率
1アラエスマーリンズ.434
2ベッツドジャース.383
3フリーマンドジャース.370
21ヌートバーカージナルス.293
28鈴木カブス.275
安打数
1アクーニャブレーブス217
2フリーマンドジャース211
3アラエスマーリンズ203
32鈴木カブス147
ヌートバーカージナルス111
盗塁数
1アクーニャブレーブス73
2キャロルDバックス54
3エイブラムズナショナルズ47
49ヌートバーカージナルス11
鈴木カブス6

投手成績

日本人関係選手の規定投球回数現況

2023年10月2日までの成績は次の通りです。

選手名成績














消化済
試合数
規定
投球回
過不足
菊池雄星32試合11勝6敗3.86167.2281778721814841625.2
前田健太21試合6勝8敗4.23103.417005049117283162-57.2
大谷翔平23試合10勝5敗3.14132.0209450461675511162-30
ダルビッシュ有24試合8勝10敗4.56136.122187169141438162-25.2
藤浪晋太郎64試合7勝8敗5H2S7.18791404656383457162-83
千賀滉大29試合12勝7敗2.98166.1279560552027751615.1

※シーズン規定投球回数は、162試合✖️1=162回

MLBの投手部門個人成績

各リーグの投手3タイトルのTOP3および日本関係選手の成績を記します。

※同数の場合、一部選手は記載省略
ア・リーグ投手成績
2023MLB ア・リーグ投手成績

2023年10月2日(日本時間)までの成績

防御率
1コールヤンキース2.63
2グレイツインズ2.79
3ブラディッシュオリオールズ2.83
14菊池ブルージェイズ3.86
大谷エンゼルス3.14
前田ツインズ4.23
藤浪オリオールズ7.18
勝利
1バジットブルージェイズ16
1エフリンレイズ16
3ギブソンオリオールズ15
17菊池ブルージェイズ11
24大谷エンゼルス10
43藤浪オリオールズ7
前田ツインズ6
セーブ
1クレースガーディアンズ44
2ロマノブルージェイズ36
3バティスタオリオールズ33
42藤浪オリオールズ2
ホールド
1カノオリオールズ31
1ネリスアストロズ31
3スワンソンブルージェイズ29
藤浪オリオールズ5
奪三振数
1ガウスマンブルージェイズ237
2P・ロペスツインズ234
3コールヤンキース222
15菊池ブルージェイズ181
20大谷エンゼルス167
51前田ツインズ117
藤浪オリオールズ83
奪三振率
1ガウスマンブルージェイズ11.53
2シースWソックス10.88
3P・ロペスツインズ10.86
6菊池ブルージェイズ9.72
大谷エンゼルス11.39
前田ツインズ10.09
菊池ブルージェイズ9.72
被打率
1コールヤンキース.206
2ブラディッシュオリオールズ.215
3カスティーヨマリナーズ.218
19菊池ブルージェイズ.255
大谷エンゼルス.184
前田ツインズ.239
藤浪オリオールズ.242
※同数の場合、一部選手は記載省略
ナ・リーグ投手成績
2023MLB ナ・リーグ投手成績

2023年シーズンの成績

防御率
1スネルパドレス2.25
2千賀メッツ2.98
3スティールカブス3.06
ダルビッシュパドレス4.56
勝利
1ストライダーブレーブス20
2ゲーレンDバックス17
3スティールカブス16
11千賀メッツ12
36ダルビッシュパドレス8
セーブ
1ドバルジャイアンツ39
1ベッドナーパイレーツ39
3ディアスレッズ37
ホールド
1TY・ロジャーズジャイアンツ30
2ライターJr.カブス28
3パヤンプスブリュワーズ27
奪三振数
1ストライダーブレーブス281
2スネルパドレス234
3ゲーレンDバックス220
7千賀メッツ202
21ダルビッシュパドレス141
奪三振率
1ストライダーブレーブス13.55
2スネルパドレス11.70
3ペラルタブリュワーズ11.41
4千賀メッツ10.93
ダルビッシュパドレス9.31
被打率
1スネルパドレス.181
2バーンズブリュワーズ.200
3千賀メッツ.208
ダルビッシュパドレス.259
※同数の場合、一部選手は記載省略

まとめ

規定打席数と規定投球回数について簡単に説明しました。

規定打席数に関しては、シーズン通し1試合3.1打席以上に出場しなければなりません。

大雑把に考えると打者の場合、162試合の内最低でも130試合以上でのフル出場が無いと達成できない数字に見えます。

また、投手の場合、中5日で登板したとすると、1試合6回以上投球しないと達成できません。

投打ともに、所属チームで活躍し、信頼される選手でないと規定打席数や規定投球回数をクリアすることはできないMLB選手にとって重要な数だと言えます。

そんな数字を打者と投手の両方でクリアする大谷選手は、別格であることは言うまでもありません。