MLB(メジャーリーグベースボール)は、アメリカンリーグ(以下、ア・リーグ)とナショナルリーグ(以下、ナ・リーグ)共に、交流戦を含め各チームが162試合をシーズンを戦い抜きます。
シーズン中は連戦が続き、ダブルヘッダーも組まれます。過酷なシーズンを勝ち切りMLBの覇者となるための戦力補強の手段の一つがトレードです。
トレード理由は様々ですが、大物選手もトレードの対象になってきます。
そんなMLBの2024年シーズンのトレード・デッドライン(トレード期限)が示されています。
※現時点の正確な情報は各放送配信およびサービスサイトで確認の上、ご利用ください。
2024年トレード・デッドライン(トレード期限)
ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマン記者が報じたところによると、2024年シーズンのトレード・デッドラインが日本時間2024年7月31日7時(米東部時間2024年7月30日18時)に決まったとのこと。(引用元:2024.1.6 MLB.JPの記事を参照)
トレード・デッドライン:
日本時間2024年7月31日7時(米東部時間2024年7月30日18時)
トレード・デッドラインは、通常は7月末(米東部時間7月31日現地16時頃)と言われていますが、年ごとにリーグの規則や労使協定によって異なる場合があります。
2023年は日本時間8月2日7時(米東部時間8月1日18時)がトレードデッドラインでした。
トレード・デッドラインの日程は、試合中にトレードが続出して混乱しないように考慮されるようです。
トレード・デッドラインが7月末の理由
通常7月末がトレードデッドラインとなっている理由は、この時期がシーズンのチーム成績を見定められる頃だからです。
この時期になるとワールドチャンピオンを狙えない成績のチームが出てきます。
そんなチームは来季構想を優先してトレードを模索します。
一方、ワールドチャンピオンを狙いたいチームは、不足する戦力を分析し、即戦力となる選手を獲得しチーム力アップを考えます。
両者の思惑が一致すれば、トレードが成立し易くなります。
MLBには30球団あるので、3球団以上を跨いだトレードなども実現します。
こんな事例も「2023年エンゼルスの8月末チーム解体」
2023年のエンゼルスは、7月のトレードデッドラインで買い手となりチーム補強を行いました。
しかし、補強後にチームは連敗し、補強の成果無くプレーオフ進出ができませんでした。
わずか1ヶ月後の8月末には、7月に補強した選手とシーズン終了後にFAとなる40人ロースター選手をウェーバー公示したとされています。
目的は、選手への残りシーズンの報酬支払いを少しでも削減し、チームの年俸総額を引き下げて、贅沢税と呼ばれるペナルティー額を引き下げることでした。
8月末のトレードができない状況でしたが、無償で選手を手放すことでチームの財政を改善する方策を探ったのです。
9月1日までに40人ロースターに登録した選手でなければ、プレーオフに出場させることができないルールがあるため、8月末に有望選手がウェーバー公示されれば、40人ロースター選手として獲得したい球団がある可能性は残っています。
ウェーバー公示された選手を獲得したチームは、シーズン残り2ヶ月程度の年俸を支払うことになります。
2024年トレード・デッドラインの注目選手
トレード・デッドラインで注目されるのは、当該シーズン終了時にFAとなる大物選手が中心です。
2024シーズンのトレード・デッドラインで注目される選手には、次の選手が挙げられます。
フアン・ソト(ヤンキース)
コービン・バーンズ(ブリュワーズ)
ウィリー・アダメス(ブリュワーズ)
ザック・ウィーラー(フィリーズ)
マックス・フリード(ブレーブス)
シェーン・ビーバー(ガーディアンズ)
ピート・アロンソ(メッツ)
アレックス・ブレグマン(アストロズ)
ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)
キム・ハソン(パドレス)
2024年シーズンのトレード・デッドラインに近づいた時点でのチーム事情はどうなっているでしょうか。
トレード・デッドラインは、MLBの楽しみの一つとも言えます。
大物選手を放出する理由
MLBでは、大物選手を放出するケースが多く見られます。
年俸調停とFA権がトレードに直結
MLBのメジャー選手(ロースター枠の選手)は、3年で年俸調停の権利を得ます。
年俸調停で契約合意しない場合は、ノンテンダーFA選手となり、他球団への移籍が可能となります。
また、正式なFA権はメジャー6年(ロースターに6年在籍)で権利を得ます。
今後FAの権利を得る選手は、FAにより自由に他球団と契約できることになるので、選手を保有して来た球団は、再契約を提示して合意するか、選手を放出するかの選択になってきます。選手と合意できない場合は、得るものがないまま、選手が出ていくことにもなることから、トレード要員とした方が得だと考える場合があります。
このため、トレードデッドラインまでに成績不振のチームは、来季の戦力を整えるために、FAとなる大物選手をトレード要員にして、来季構想に当てはまる選手の獲得を優先します。大物選手のFA獲得は、トレード先でも同じことですが、多くの場合、優勝争いのため大物選手が必要な戦力と考えるチームが相手となり、FAの有無よりもチームをワールドチャンピオンに導いてくれることを期待します。
トレードは拒否できるの?
MLBのトレードは球団が決めるのですが、トレード拒否権を持つ選手もいます。
アクティブロースター10年相当以上やチーム所属5年以上の選手です。
それ以外に、契約時にトレード拒否に関する事項を決めている選手もいます。
そのような選手は、トレードを拒否することができます。
MLB情報番組
MLBに関する情報番組でトレードに関する情報を得ることもできるでしょう。
おすすめは「MLBイッキ見!」です。
「MLBイッキ見!」は、毎週金曜日の午後10時00分~10時45分(45分)にJSPORTSで放送されます。
キャスターはAKI猪瀬と津田麻莉奈です。(敬称略)
AKI猪瀬さんのMLBに関する知識は他を寄せ付けません。
「MLBイッキ見!」は、初回放送が無料放送なのでJSPORTSに加入しなくても視聴できます。
NKH放送の「ワースポ×MLB」も良いですね。
元メジャーリーガー中心のキャスターが解説してくれます。
また、MLB中継においては、AKI猪瀬さんが解説者となることの多いJSPORTSがおすすめです。
2024MLBチーム所属日本関係選手
2024年MLBに所属する主な日本関連選手は次のとおりです。
リーグ | チーム | 選手名 |
---|---|---|
ア・リーグ 東地区 | トロント・ブルージェイズ 7/30:ヒューストン・アストロズへ移籍 | 菊池雄星 |
ア・リーグ 東地区 | ボストン・レッドソックス | 吉田正尚 |
ア・リーグ 東地区 | タンパベイ・レイズ 3/28:ボストン・レッドソックスへ移籍 | 上沢直之 |
ア・リーグ 中地区 | デトロイト・タイガース | 前田健太 |
ナ・リーグ 東地区 | ニューヨーク・メッツ | 千賀滉大 |
ナ・リーグ 東地区 | ニューヨーク・メッツ | 藤浪晋太郎 |
ナ・リーグ 中地区 | シカゴ・カブス | 鈴木誠也 |
ナ・リーグ 中地区 | シカゴ・カブス | 今永昇太 |
ナ・リーグ 中地区 | セントルイス・カージナルス | ラーズ・ヌートバー |
ナ・リーグ 西地区 | サンディエゴ・パドレス | ダルビッシュ有 |
ナ・リーグ 西地区 | サンディエゴ・パドレス | 松井裕樹 |
ナ・リーグ 西地区 | ロサンゼルス・ドジャース | 大谷翔平 |
ナ・リーグ 西地区 | ロサンゼルス・ドジャース | 山本由伸 |
ナ・リーグ 西地区 | サンフランシスコ・ジャイアンツ 3/22:退団→DeNAへ復帰 | 筒香嘉智 (DeNA) |
まとめ
トレードデッドラインが迫る度に、大物選手のトレードが噂されますが、交渉は水面下で行われ、発表されたトレードを見て大騒ぎするのが常です。
どんなトレードが発表されるのかを見るのもMLBの楽しみの一つです。
噂のあの超大物選手の行方は・・・。