テレビはグレードによって音響性能が違っています。
特にハイエンドモデルになると低音増強用のウーファーや上向き音響効果増強のイネーブルドスピーカーが付いて、ドルビーアトモスへの対応も万全なモデルもあります。
それ以外のグレードでは、画質が良くても、スピーカーが今一つ迫力がなく、映像と合わないことで没入感に欠けると言う不満が出てくることもあり、「もっと迫力のある音で聴きたい」など後付けで改善したいと感じている方も多いと思います。
そんな方には、テレビを高音質で楽しむためのドルビーアトモス対応のサウンドバー(シアターバーとも言う)をおすすめします。
サウンドバーとはどんなもの?
サウンドバーは、商品名のとおりで、バー形状で薄厚で横長なスピーカーです。テレビ前下などのスペースに設置できて、電源とHDMIケーブルで簡単に接続できる特徴があります。
更に重低音の迫力を追求するならサウンドバーに別体のサブウーファーが付属したセット商品を選択した方が満足できると考えます。
サウンドバーは、スマートで洗練されたデザインが多いので、重厚なスピーカーを並べたホームシアターシステムのような仰々しさがなく、スッキリ配置できるので導入スペースを確保しやすい利点があります。
ホームシアターシステムとの違い
ホームシアターシステムの例として、ドルビーアトモスを再生するために、スピーカーを5.1.2ch(チャンネル)に構成した場合には、視聴者を囲むようにスピーカー7台+ウーファー1台を配置します。
スピーカーはフロントセンター1台,左右フロント2台,バックサラウンド2台,上向き2台などの配置になります。
周囲のスピーカーから立体的に音が飛び出してきて、リアルな3D音場をつくることができます。
スピーカーを7.1.4chなどに増やしていくとより音場の滑らかさが増していきます。
一方サウンドバーでは、視聴者から見て前方のみにスピーカーを置いた形になります。
2~7台のスピーカーが1本のバーの中に収められて、スピーカーの配置は全てテレビ前下のスペースに置かれることになります。
音の出所は前方のみなのですが、サウンドバーで再生した音声は、音の広がりが感じられ、あたかも視聴者の全方位から聞こえているように錯覚させてくれます。
こればバーチャルサラウンド技術によるもので、音の反射や遅延を利用して、立体的な音場を作り出しているものです。
ホームシアターシステムを構築した方が、好みの音質のスピーカーを揃えたり、少しづつスピーカー数を増やしていったりなど、自分好みの個性的なシステムを構成する楽しさがあり、音源がリアルな配置に近くなるため、立体的な音場を細かく調整しやすくなります。
臨場感の高さ、音響性能としてはホームシアターシステムが優れています。
それでもサウンドバーはプロが音色を合わせたバランスの良さが魅力で、簡単に統一性のある滑らかな音場を手に入れることができる点が優れています。
複数のスピーカーを1つのユニットにコンパクトに収めてあるので、音のつながりも良く、バーチャルで立体音場をつくる技術が発展したことで、設置性や手軽さだけでなく、音場をつくる実力ある機器として選ばれています。
特にドルビーアトモスなどの立体音響に対応したサウンドバーを導入することで、テレビスピーカーの平面的な音場を一気に3Dの空間オーディオに改善できるとなると人気が出ない訳がありません。
サウンドバー選びのポイント
テレビに合わせるドルビーアトモス対応サウンドバーについて、選定ポイントを紹介していきます。
立体音響を再生できるサウンドバーを選ぶ
最新映画で採用されている「ドルビーアトモス」や「DTS:X」といった立体音響規格で製作された作品は、立体的な音場を再現することで、映像と音響が合致した臨場感が生まれ、作品への没入感が格段に向上します。
4Kテレビに映し出される超高画質な映像にサウンドバーが奏でる立体音響は鳥肌ものです。
立体音響を再生できるサウンドバーを選定しておけば、下位規格の「ドルビーデジタル」や「DTS」に対応しているので、より多くの作品で適切なデジタルサラウンドを再現できることになります。
サブウーファー別体のサウンドバーもGood
ドルビーアトモスなどの立体音響には、低音の力強さは重要です。
低音専用のサブウーファーにより重低音の厚みが増し、立体音場に凄みが出てきます。
低音の響きは調整可能なので、隣人などに配慮した丁度良い好みの低音の厚みを探す必要があります。
搭載スピーカー数
サウンドバーに搭載されるスピーカー数は多い方が有利です。
スピーカーが多いと再生の自由度が高まりリアルな音場を作りやすくなるからです。
しかし、バーチャルサラウンド技術が搭載されているサウンドバーならスピーカー数が少なくても確りドルビーアトモスの立体的な音場を再生してくれます。
搭載スピーカーの数は最低3台で、それよりも5台,7台と多い方が良いと考えて間違いありません。
できればスピーカーの配置や向きがアレンジされたものの方が音の広がりを出しやすくなります。
ドルビーアトモス対応作品
ドルビーアトモスは立体的な音場を表現してくれるパフォーマンスの高い規格なので、再生する作品もドルビーアトモス対応のデータで収録されたものが必要です。
テレビ放送などドルビーアトモスではないコンテンツでも、疑似的に立体音響を作ってくれますが、映像と合致した立体音響にはなりません。
映像に合った立体音響で再生するには、ドルビーアトモス対応作品が必要です。
ドルビーアトモス対応作品は
・Ultra HDブルーレイディスク
・ネット配信動画
で入手しやすくなっています。
ドルビーアトモス対応作品の楽しみ方は関連記事でも紹介しています。
おすすめのドルビアトモス対応サウンドバー
おすすめのドルビーアトモス対応サウンドバーを紹介します。
SONY HT-Z9F
「ドルビーアトモス」「DTS:X」に対応
ソニー独自の「Vertical Surround Engine」を搭載し、フロントスピーカー3チャンネルで高さ方向の音場を作り出します。
「ドルビーアトモス」「DTS:X」以外のテレビ放送などの2チャンネル信号に対しても臨場感のある音響効果を与えて楽しむことができます。
アンプ性能もハイレゾ音源を忠実に再現できるフルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載しています。小音量でも確りとディテールを維持した高音質な音場を作ってくれます。
サブウーファーによる低音表現も十分なので、迫力あるリアルな音場を楽しむ事が出来ます。
SONY HT-ST5000
「ドルビーアトモス」「DTS:X」に対応
2chから7.1chで収録された既存のコンテンツでも、立体的な音場で表現できる、アップミキサー機能である「Dolby Surround」「Neural:X」に対応しています。
アンプ性能もハイレゾ音源を忠実に再現できるフルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載しています。小音量でも確りとディテールを維持した高音質な音場を作ってくれます。
サブウーファーによる低音表現も十分なので、迫力あるリアルな音場を楽しむ事が出来ます。
特徴的なのは複数のスピーカーを直線上に並べた「アレイスピーカー」配置です。7本のスピーカーを配置し、音の指向性を高度化し、密度の高い音場を実現しています。
更にバーの左右上面にイネーブルドスピーカーを配置して、天井に音を反射させることで3次元の立体音響を作り出します。
パナソニック SC-HTB900
ドルビーアトモス、DTS:X/Virtual:Xなどの音声処理技術に対応。
フロント左右とセンタースピーカーには6.5cmスピーカーユニットを2個づつ搭載しています。
さらに、フロントスピーカーには、高域再生用のツイーターが搭載されて、ハイレゾに対応しています。
3chでクリアな音質の立体的な音場を作り出すバーチャル再生が可能になっています。
サブウーファーはワイヤレス方式を採用しているので電源ケーブルはありますが、サウンドバーから接続する面倒なケーブルはありません。
力強い低音を実現できるサブウーファーになっています。
シャープ 8A-C22CX1
「Dolby Atmos」に対応。
スピーカー構成は2.1chで、フロントスピーカーは高音(ツィーター)・中音(ミッドレンジ)・低音(ウーファー)の3種類のスピーカーで3Wayスピーカーを構成しているので、低音から高音までクリアできめ細かな音場再生を実現してくれます。
2.1chですが、360度の立体音響を創出する「OPSODIS」技術によりドルビーアトモスの臨場感あふれる立体音響も実現できます。
映像に合わせて選べる7種類のサウンドモードがプリセットされていて、簡単に映画やスポーツ,音楽などに最適な調整結果を得ることが可能です。
JBL BAR 5.0 MultiBeam
JBL BAR 5.0 MultiBeamの特徴は5基のアクティブスピーカーを搭載していて、内2基をバー端部に当たるサイド部分に外向きに搭載している点になります。
5基のスピーカーでDolby Atmos(ドルビーアトモス)作品を再生すれば、バーチャルDolby Atmosにより立体的な音響空間を作り出し、高い没入感で感動の 3D サウンドを体感することが可能です。
更に低音を増強するパッシブラジエーター型のサブウーファーを4基搭載しています。
難しい事抜きに、最適な3D音場再生を提供してくれるようになっているので、簡単にDolby Atmosを体感できるようになっています。
まとめ
テレビをアップグレードするには、音響面の強化が有効です。
ドルビーアトモス対応サウンドバーなら設置も簡単で、見た目もスッキリ、それでいてクリアーな高音質で迫力ある音場再生を実現してくれます。
映画や音楽,スポーツを立体的な音場で見れば、より没入感が高まって見る楽しさが倍増すること間違いなしです。