WEC2024は、国際自動車連盟 (FIA) とフランス西部自動車クラブ (ACO) が共同で開催するFIA 世界耐久選手権 (WEC) の第12回大会となります。
トヨタが5季連続2冠制覇を達成したWECですが、FIA 世界耐久選手権(WEC)のLMH(ル・マン・ハイパーカー)とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(WTSC)のLMDh(ル・マン・デイトナ・h)の両規定のハイパーカーで相互レースへの乗り入れが実現し、大きく盛り上がっています。
WEC,WTSC共に益々盛り上がる4輪耐久レースは注目です。
※FIA:Fédération Internationale de l’Automobile
※ACO:Automobile Club de l’Ouest
※IMSA:International Motor Sports Association
※WEC:World Endurance Championship
※WTSC:WeatherTech SportsCar Championship
※最新情報は各放送配信サイトで確認の上、ご利用ください。
2024WEC世界耐久選手権の日程
WEC2024シーズンは、全8戦が以下の日程で開催予定されています。
開幕は、3月2日にカタール1812kmからとなり、ル・マン24時間レースは第4戦の6月15日〜16日で予定されています。
富士スピードウェイ6時間耐久は9月15日に開催予定となっています。
2024年WEC世界耐久選手権 開催予定
ラウンド | 日程 | レース名 | 開催サーキット |
---|---|---|---|
テスト | 2月24~25日 | プロローグ(カタール) | ロサイル・インターナショナル・サーキット |
R1 | 3月2日 | カタール1812km | ロサイル・インターナショナル・サーキット |
R2 | 4月21日 | イモラ6時間レース(イタリア) | イモラ・サーキット |
R3 | 5月11日 | スパ6時間(ベルギー) | スパ・フランコルシャン |
R4 | 6月15〜16日 | ル・マン24時間レース(フランス) | サルト・サーキット |
R5 | 7月14日 | サンパウロ6時間(ブラジル) | インテルラゴス・サーキット |
R6 | 9月1日 | ローンスター・ル・マン(アメリカ) | サーキット・オブ・ジ・アメリカズ |
R7 | 9月15日 | 富士6時間レース(日本) | 富士スピードウェイ |
R8 | 11月2日 | バーレーン8時間レース(バーレーン) | バーレーン・インターナショナル・サーキット |
2024WEC世界耐久選手権の放送配信
2024年WECの放送配信は、全8戦をJSPORTS(J スポーツ)が放送配信
2024WEC世界耐久選手権の放送配信サービスの概要
視聴料 月額税込 | 放送配信 | |
---|---|---|
NHK | 無料 | ✖ |
JSPORTS (スカパー) | ※2,944円 | 〇 |
2,640円 ジャンルパック 1,980円 | 〇 | |
Amazon Prime JSPORTS | 2,178円 | 〇 |
WOWOW | 2,530円 | ✖ |
DAZN | 3,000円 年27,000円 | ✖ |
GAORA sports | ※1,749円 | ✖ |
Hulu | 1,026円 | ✖ |
※Amazon Prime Video J SPORTS チャンネルの配信予定は配信番組表で確認できます。
WECの概要
WECでは、車両クラスが全4クラスあります。
【Hypercar】
【LMP2】・・・2023で廃止:ル・マン24時間レースに限っては引き続き参戦が可能
【LMGTE Pro】・・・2022で廃止
【LMGTE Am】・・・2023で廃止
【LMGT3クラス】・・・2024新設
それぞれのクラスの車両には規定があるとともに、運転できるドライバーのランク(格付け)にも制限が定められています。
【Hypercar】
【Hypercar】はWECの最上級クラスです。
2024年は、トヨタ、フェラーリ、プジョー、ポルシェ、キャデラックから最低11台がハイパーカークラスにエントリーすると考えられます。
2023年からLMH(Le Mans Hypercar)とLMDh(Le Mans Daytona h)が【Hypercar】カテゴリーでレースをしています。
参考)2023年は13台が【Hypercar】クラスに参戦しました。
WTSCとWECのハイパーカーの相互参戦が可能に
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(WTSC)のトップカテゴリー『GTP』クラスで使用するLMDh規定車両とFIA 世界耐久選手権(WEC)のトップカテゴリー【Hypercar】クラスで使用するLMH規定車両の相互レースへの乗り入れが実現しました。
トヨタは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(WTSC)へのトヨタGR010ハイブリッドでの参戦は2023年には実施しないようですが、ポルシェとキャデラックは、LMDh規定車両でのルマン24時間等への参戦を予定しているようです。
LMHとLMDhは、違う規定の車ではありませんが、双方の協調により、似通った規定になり最終的には性能調整 BoPされた車両でレース参戦します。
今後のWTSC、WECのレースがより一層盛り上がりそうです。
※WEC:World Endurance Championship
※IMSA:International Motor Sports Association
【LMP2】(Le Mans Prototype 2)
【LMP2】はプライベーター向けのプロトタイプカテゴリーになります。
予算制限を設けることによって資金差による不公平を最小化するバジェットキャップ制が導入されています。
指定4社が製造する上限が定められた価格のシャシー
エンジンはワンメイク(指定された4.2リッターのV8自然吸気エンジン)
クローズドボディ
全長4,750mm以下
全幅1,800mm以上1,900mm以下
全高1,050mm以上
最低車重は930kg
燃料タンク最大容量75リッター
ゼッケンベースはブルー
シルバーまたはブロンズドライバー1名が含まれている
【LMGTE Pro】(Le Mans Grand Touring Endurance Pro)
【LMGTE Pro】は2022年で廃止。
GTカーの耐久世界一を競うプロチームのためのGT上級カテゴリー。
自動車メーカーのワークスチームが凌ぎを削るクラスでした。
最低重量、燃料タンク容量、リアウイングの高さ、エアリストリクター、ターボブースト圧等は性能調整(BoP:Balance of Performance)の適用を受け車両ごとの性能差の違いによる不公平を解消します。
4輪駆動は禁止
トラクションコントロールの装備は可能
ブレーキディスクは鉄ベース合金製
エンジンは同一メーカーの量産車に搭載され、300台以上が生産された量産エンジンがベース。
自然吸気エンジン5.5リッター以下、過給機付きエンジン4リッター以下
ゼッケンベースはグリーン
ドライバー編成は自由
【LMGTE Am】(Le Mans Grand Touring Endurance Am)
【LMGTE Am】は、アマチュアドライバーのカテゴリーでエントリー台数が最も多いクラスになります。
車両は【LMGTE Pro】の1シーズン前の車両か、前シーズン車両の仕様に完全準拠
ゼッケンベースはオレンジ
ドライバー編成にはブロンズドライバー最低1名と、ブロンズかシルバーのドライバー1名を含める
ドライバーランクについて
ドライバーには、【プラチナ】【ゴールド】【シルバー】【ブロンズ】の4つのランク(格付け)があります。
【プラチナ】
・F1スーパーライセンス保持経験者
・ルマン24時間レースのルマンGTエンデュランス プロクラス以上の優勝経験者
・WECプロクラス優勝経験者
・国際F3000またはCART、インディカー、GP2などで年間5位以内
・国際F3選手権で年間3位以内
・ポルシェスーパーカップでチャンピオンを獲得
などの戦績を2つ獲得しているドライバー
【ゴールド】
A1GP、GP3、ルノーV6、スーパーリーグ、ユーロカップFR2.0、インディライツなどで年間3位以内
F3、FR2.0、アトランティック、ユーロV8シリーズなどで年間3位以内
DTM、BTCC、Super GT選手権などで年間3位以内
FIA GT、ブランパンGT、FIA-GT1、FIA-GT3、FIA GT3ヨーロッパ選手権などの優勝経験
【シルバー】
【プラチナ】【ゴールド】以外の30歳未満のレーサーで、
国際選手権またはシリーズで優勝経験者
非プロ級のシリーズ優勝者
メーカー主催ワンメイクレースシリーズ優勝者
【ブロンズ】
ライセンス発行時30歳以上でシングルシーターで経験がない
30歳未満でライセンスを1年以上保持して、レース経験が5戦以下のアマチュア
まとめ
WEC2024シーズンは、全8戦で開催予定されています。
開幕は、3月2日カタール1812kmからとなり、ル・マン24時間レースは第4戦の6月15日〜16日で予定されています。
富士スピードウェイ6時間耐久は、9月15日に開催が予定されています。