雪の降る地域では冬の前後に自動車のタイヤを交換します。
一人1台自動車を持っているのも普通で、家族や知人の自動車を合わせると4台以上のタイヤ交換が必要なケースも珍しくありません。
タイヤ交換で重労働に感じる部分は、ジャッキアップ,ホイールナット緩め/締め,タイヤ運搬です。
今年の冬は、エアーインパクトレンチを導入したので紹介します。
タイヤ交換にインパクトレンチ導入
今回導入したのは [SK11 エアインパクトレンチ SIW-1300S]。(以下では主に SIW-1300S で表記)
最大トルク350N・mのインパクト力を持っています。
エアー源は、[髙儀 EARTH MAN 25L ACP-25SLA]エアーコンプレッサー(以下では主に ACP-25SLA と表記)。
出力570W、最高空気圧0.8MPaの能力を持っています。
SIW-1300Sで推奨されている1.5KWコンプレッサーなのですが、利用しているACP-25SLAは、570Wと能力が小さめです。
実際に使用した結果、ACP-25SLAをエアー源として、SIW-1300Sを使用してもタイヤ交換が可能です。
1箇所のタイヤ交換毎にエアーの補充(再起動)が入りますが、作業効率が悪くなることもなく、今回の使用結果らエアーコンプレッサーの大型化が必要だとは思いません。
[SK11 エアインパクトレンチ SIW-1300S]と[髙儀 EARTH MAN 25L ACP-25SLA]の組み合わせがおすすめな訳ではありませんが、使用に足りる組み合わせです。
タイヤ交換に必要なもの
タイヤ交換で使用したものは、次のとおり。
・車を持ち上げる[油圧ジャッキ]
・まし締め・手回しが必要な時の[クロスレンチ]
・エアーインパクト[SIW-1300S]
・コンプレッサー[ACP-25SLA]
・延長エアーホース
・空気入れ[ゲージ付き]
・交換するタイヤ
・ホイールナット
・トルクレンチ(感覚がわからない場合)
ホイールナットの締め付けトルク
ホイールナットの締め付けトルクは
・普通車の場合:10~12kg(約100~120Nm)
・軽自動車の場合:8~10kg(約80~100Nm)
とされています。
ホイールナットを緩める場合には、初期のトルクが必要な場合もあるので、インパクトレンチのトルク仕様は大きめにした方が無難です。
エアーインパクトレンチSIW-1300Sは、トルク的には余裕がある訳ではありませんが、緩める場合の初期トルクを持っています。ただし、回らない場合もあるので、手回しレンチは準備しています。
自動車タイヤ交換実施
導入した エアーインパクトレンチSIW-1300S を使用して、タイヤ交換を実施しました。
タイヤ交換作業の手順は以下の通りです。
タイヤ交換作業一覧
交換手順 | 利用機器等 |
---|---|
コンプレッサー起動 | コンプレッサー |
ジャッキアップ | 油圧ジャッキ |
ホイールナット緩め | インパクトレンチ |
ホイールナット取り外し | インパクトレンチ |
タイヤ取り外し | 手作業 |
タイヤ取り付け | 手作業 |
ホイールナット仮締め | クロスレンチ |
ジャッキダウン | 油圧ジャッキ |
ホイールナット本締め | クロスレンチ |
ジャッキ取り外し | 手作業 |
タイヤ空気入れ | コンプレッサー エアーゲージ |
※ジャッキアップは自動車を少し持ち上げた状態(タイヤが着地した状態)でホイールナットを緩めた方が良い場合もあります。状況に応じて対応します。
エアーインパクトレンチSIW-1300Sレビュー
SIW-1300Sは、最高使用圧力0.6MPaとなっています。
今回は、コンプレッサーの蓄圧を0.8MPaとして使用しました。
理由は、ホイールナットを緩める時の初期トルクを抜くのに0.8MPaから開始した方が良かったからです。
ホイールナットを締め付けした時にトルクレンチで確認していないため、締めすぎになっているからです。
実際の使用時の状況は以下の通りです。
ホイールナット緩め作業
上記の通り、ホイールナットの締め付けが強すぎるため、エアー源の圧力が0.6MPaでは緩みません。
0.8MPaで5-6回のインパクト音の後にナットが緩みます。
コツとして、1つのタイヤに付いている4〜6本の全ナットの初期トルクだけを緩めることを優先にします。
ナットが少し動けばOKです。
その後は、低トルクで緩むので、エアー圧が下がっても大丈夫。
順番に1本づつ緩めて行きます。
コンプレッサーのタンク内圧力は徐々に低下し、1つのタイヤのホイールナットを外した頃には、0.6MPa付近まで低下します。
コンプレッサーが再起動して0.8MPaまで復圧します。
参考にSIW-1300S が0.6MPaで350Nmを発揮する仕様なので、単純計算で0.8MPa÷0.6MPa×350Nm=467Nmで緩めていることになります。
ホイールナット締め付け作業
ホイールナットの締め付けにおいては、ナットを少し手で回してネジにしっかり掛けてからエアーインパクトレンチを使用します。
全てのナットを仮り締めするとエアー圧は、0.6MPa付近まで低下します。
一旦、コンプレッサーを昇圧させて0.8MPaで本締めします。
ジャッキダウン後に手回し(クロスレンチ)でチェックすると、僅かに締まりますが、納得できる具合に締まっています。
心配なので絶対に全てクロスレンチでチェックしています。
エアーインパクトレンチを使用して判った事
エアーインパクトレンチSIW-1300Sの仕様である0.6MPa,350Nmと言う仕様では、規定以上に締まっていることもあり初期トルクを緩めることができません。
エアー源の圧力を0.8MPaに上げることで初期トルクを緩めることができました。
原因は、手締めでの締め付けすぎと考えています。
しかし、更に高トルクのインパクトレンチと大容量コンプレッサーの使用はオーバースペックでしょう。
今回組み合わせた SK11 エアーインパクトレンチSIW-1300S と高儀 EARTH MAN 25L ACP-25SLA によって、作業はとても軽減されます。
作業時間も短縮でき、響き渡るエアー音はなかなか気持ち良いものです。
その他道具紹介
タイヤ交換に使用した道具を紹介します。
コンプレッサー
オイルレスタイプの低騒音コンプレッサーです。
エアーホース
エアーホースは、E-Value ウレタンエアホース 内径8.5×外径12.5mm EAZ-120N 20m クリアオレンジです。
20mでは長すぎました。
巻き付けて片付けるのが大変なので、外径800mm位のバケツに巻いて入れています。
コンプレッサーの能力をフルに発揮するには、エアホースの内径が大きい方が圧力損失を小さくできて有利です。
油圧ジャッキ
油圧ジャッキ:エマーソン 油圧フロアジャッキ3t EM-514
3t仕様、最低位135mm/最高位435mmです。
軽自動車~大型車まで利用可能です。
タイヤ空気入れ
タイヤ交換時には空気圧をチェックします。
ゲージ付きのタイプなら圧力を確認しながら充填でき、リリースも出来るので調整が簡単です。
クロスレンチ
クロスレンチは力を掛けるので、ある程度高品質なものを購入した方が良いと考えます。
まとめ
タイヤ交換にエアーインパクトレンチを導入しました。
ホイールナットの緩め/締め付けともに、特に腰への負荷が低減でき、とても楽になりました。
比較的安価な製品なのですが、十分な性能を持っています。
エアーのインパクト音がガレージに響くのは良い感じです。
タイヤ交換の負荷軽減にインパクトレンチの導入はおすすめです。
追記:購入後3シーズンを経過して、好調に稼働しています。コツを得たこともあり、このインパクトレンチ無しでのタイヤ交換は考えられません。