お掃除ロボットは日進月歩で進化していきます。
今回レビューする『SwitchBot お掃除ロボットS10』は、基本的なクリーナー清掃と水拭き清掃の両方を同時に実行できます。
今時、そんな機能を持ったロボット掃除機はいくつかあるのですが、『SwitchBotお掃除ロボットS10』は更に進化していて、水拭き清掃で使用するローラーモップは常に水で洗浄され綺麗な状態で使用でき、水が汚れると自動で排水し、新鮮な水と交換し、清掃が終わるとモップをヒーターで乾燥してくれます。
一度セッティングしてしまえば、清掃と水拭き清掃は全自動でお任せできます。
言葉が変かもしれませんが、全自動の上を行くフル全自動な掃除機です。
今回は、従来のロボット掃除機とは一線を画すフル全自動清掃を実現した『SwitchBotお掃除ロボットS10』(以下、お掃除ロボットS10)についてレビューします。
全自動お掃除ロボットS10の概要
お掃除ロボットS10によるフル全自動化された清掃について、その概要を説明します。
お掃除ロボットS10は、次のような自動動作や制御が可能になっています。
- 自動でマップを作成
- 自動でゴミ・埃を吸引して清掃
- 『ごみステーション』で70日間分のゴミをストック
- ロボット内蔵のモップで自動水拭き掃除
- ロボット搭載タンクに自動で給水
- ロボット搭載タンクの水でリアルタイムにモップを綺麗に保つ
- ロボット搭載タンクの水が汚れると自動で排水
- 水拭き清掃が完了すると自動でモップを乾燥
- 水拭きモードでカーペットを検知すると自動でモップを格納
- AIカメラで障害物を回避
など、多彩な項目を自動化することでフル全自動清掃を実現しています。
フル全自動なんて、ちょっと大袈裟に言っているように思うかもしれませんが、最新の清掃機能がぎっちりと詰まっている高性能・高機能なロボット掃除機となっています。
実際に使用した感想を簡単に表現すると
「掃除は全てロボット任せでもOK」
「メンテナンスフリーで楽ちん」(一定期間でメンテする必要はありますが・・・)
「本当に全部自動なんだ」
となります。
お掃除ロボットS10の主な仕様
お掃除ロボットS10の主な仕様は次のとおりです。
本体(ロボット)
本体寸法 (mm) | 365*365*115mm |
重量 (g) | 5500g±10g |
消費電力 | 85W |
定格電圧 | 21.6V |
バッテリー容量 | 4000mAh |
ダストボックス容量(mL) | 310ML |
汚水ボックス容量(mL) | 170mL |
フィルター | 水洗い可能 |
最大吸引力 | 6500pa |
作動音 | 62db/64db/67db/69db |
最長稼働時間 | 140 分間 |
最大清掃面積 | 120 ㎡ |
ゴミ収集ステーション
容量 | 4L |
本体寸法 (mm) | 260*207*412mm |
重量 | 4.600g±10g |
消費電力 | 900w |
入力 | 100V 50/60Hz |
ケーブルの長さ | 1.5m/AC |
水交換ステーション
寸法 (mm) | 400*165*100mm |
重量 | 2200g±10g |
外付け水タンク
寸法 (mm) | 421*200*244mm |
重量 | 2390g |
水タンク容量 | 2.5L |
汚水タンク容量 | 2L |
掃除の負担を軽減する革新的な新技術
SwitchBot お掃除ロボットS10は、吸引・水拭き清掃の全自動化を実現しています。
自動清掃してくれる多くのロボット掃除機で、掃除の負担軽減を実感できるかもしれません。
お掃除ロボットS10は、日常的なロボットのメンテナンスが不要になるフル全自動清掃を可能にする革新的な新技術を搭載しています。
独立した水交換ステーションによる給排水
お掃除ロボットS10は、『ごみ収集ステーション』と『水交換ステーション』のデュアルステーションが特徴になっています。
『ごみ収集ステーション』は、ロボットの充電、70日間分のゴミストック、モップ乾燥ができる主要基地です。
『水交換ステーション』は、水拭き掃除で利用するロボット内蔵の水タンクへの給水、使用済みの汚水の排水をサポートするユーティリティー設備です。
特に『水交換ステーション』は、『ごみ収集ステーション』と分離したことでコンパクトな設計になっています。
2つのステーションを別々に設置することが邪魔に思うかもしれませんが、実際に使ってみると、独立させて設置できることが特異なメリットになっていることが理解できます。
デュアルステーションのメリット
『ごみ収集ステーション』と『水交換ステーション』が別になっているデュアルステーションのメリットはいくつかあります。
メリット1:レイアウトの自由が高い
『ごみ収集ステーション』と『水交換ステーション』のレイアウトは、各々の役割により、ある程度の制約の中で決まります。
『ごみ収集ステーション』は、給電やゴミ回収が必要なので電気を使用するためコンセント付近に設置が必要です。
そして、『水交換ステーション』と同じフロアに設置する必要があります。
ただし、給排水に関係していないので、『ごみ収集ステーション』の設置場所については自由度が高いと言えます。
もし、『ごみ収集ステーション』と『水交換ステーション』が一体型だった場合、給排水の関係で設置する場所が制限されます。(水道直結の場合)
一体型ステーションだった場合、水道直結機能があったとしても、実際の利用で水道直結するのは、スペース的に難しいケースが多くなると考えます。
お掃除ロボットS10は、水道に直結しなくても、『外付け水タンク』(給水・汚水タンク)を『水交換ステーション』にドッキングして利用すれば、水道の有無に関わらず、どこにでも自由に設置できるようになっています。
水タンクの水量は2.5Lと十分に大きなものになっているので、フル自動清掃も一定期間はメンテフリーで実行できると考えます。
水道直結で使うにしても、『外付け水タンク』で使うにしても、デュアルステーションになっていることが、レイアウトの自由度を高めています。
メリット2:水交換ステーションを水道直結できる(最大のメリット)
『水交換ステーション』を水道直結することは、初期設置時に手間がかかります。
しかし、『外付け水タンク』での利用では実現できない大きなメリットがあります。
それは汚水が溜まらないことです。
汚水を溜めて長期間放置すると、タンク内は雑菌だらけになってしまうのは想像できます。
水・汚水タンク共にタンクはシールドされているものの汚水が溜まっていることは気になる点です。
汚水を捨てる頻度によらず、汚水タンクの洗浄も都度必要になります。
その点で、水道直結で『水交換ステーション』を利用すると汚水が清掃の都度自動で排出され下水に流せます。
触ることも、見ることもなく汚水を処理できます。
水道直結の最大のメリットは汚水処理であり、汚水を捨てる手間を感じることなく、フル全自動清掃の恩恵を受けることができます。
RevoRoll™︎ローラーモップ
次に革新的な新技術と言える、水拭き清掃用『RevoRoll™︎ローラーモップ』について説明します。
お掃除ロボットS10には、ローラー型のモップ『RevoRoll™︎ローラーモップ』が内蔵されています。
その『RevoRoll™︎ローラーモップ』は、水拭き清掃を設定している時に、必要な場所で床面に押し当てるように飛び出してきます。
ローラーモップを回転させて、床を水拭きします。
水拭き清掃中は、ロボット本体に搭載されている水タンクにより、モップを絶えず綺麗な状態に維持します。
更にロボット本体に搭載されている水タンクが汚れてくると自動的に『水交換ステーション』に行って、汚水を排水し、新鮮な水を給水します。
清掃完了時に行うクリーニングではなく、清掃途中に中断して行われ、排水・給水が完了すると中断箇所から清掃を再開します。
ローラーモップの自動乾燥
水拭き清掃が完了するとロボット本体に搭載されている水タンクを排水し、少し念入りにクリーニングしてくれます。
ロボット本体に搭載されている水タンクは一旦空の状態になり、『ごみ収集ステーション』に帰還します。
『ごみ収集ステーション』に帰還すると、ロボット本体の充電が行われると共に、水で濡れた『RevoRoll™︎ローラーモップ』の乾燥作業も行われます。
清掃後に『ごみ収集ステーション』下に手を当てると暖かい風を感じます。
お掃除ロボットS10の設置
お掃除ロボットS10の本体およびデュアルステーションの設置は、とても簡単なのですが、水道直結と言う部分は少しだけ手間がかかります。
今回は、廊下を清掃箇所のメインフロアと考え、洗面台から給水する設置にしています。
また、排水は、排水ホースを洗面台の水受けまで這わせて排水しています。
給水および排水に接続するための部品が付属しており、別途購入することなく設置が完了しました。
給水のための水道直結
給水(水道)に接続する部品は、一般的な規格のものが多いようで、洗面台でもキッチンでも接続が可能でした。
また、洗濯機の給水部に接続する部品もピッタリ合うものでした。
よって、多くのケースでは、洗面台およびキッチン、そして洗濯機などの給水関係から水道直結する場合においては、既設の配管を外して間に付属の部品を挟むことで接続できると考えます。
排水のための接続
排水についても、いろいろな部品が付属しています。
ただし、我が家の排水管とは少しサイズが違っていました。
しかし、排水管に直接接続する必要はありません。
洗面所やキッチンであれば、ホースを這わせることで汚水を水受けに流せ、洗濯機であれば、ホースを排水ホールに突っ込むだけで排水できます。
余計な作業はしない方がシンプルで良いと思います。
水受けに汚水が出るのを好まない場合は、後から排水管に接続することも可能です。
デュアルステーションの設置
『ごみ収集ステーション』と『水交換ステーション』の設置場所については以降に記しますが、最初に考えておく重要な点は両方のステーションともにロボット本体がドッキングすると言うことです。
ロボット本体は、走力があって、押す力を持っています。
よって、ステーションとドッキングする時に少し押し込む力が働きます。
よって、両方のステーション共に押されても動かないように背面を壁や物で受ける方が安定します。
ステーションの前方や左右、高さ方向については、カタログに書かれているようなスペースが必要かもしれませんが、そこはケースバイケースだとも言えます。
ごみ収集ステーションの設置
『ごみ収集ステーション』は、廊下の真ん中に置きました。
理由は、『水交換ステーション』に近く、掃除箇所を分割した場合に走行範囲が最小になると考えたからです。
また、開放的なスペースで邪魔になりにくい場所でもあります。
水交換ステーションの設置
『水交換ステーション』は水道直結を選択したので、廊下にある洗面台で給水・排水できるようにしました。
『水交換ステーション』に付属している給排水ホースは小径なので取り回しは良好です。加えて、長さが2m程度あるので、ホースが伸びる範囲であれば、水道位置から少し離れた場所に『水交換ステーション』を設置することが可能です。
今回は、洗面台の側面から約85cm離れた場所に設置することにしました。
『水交換ステーション』の後方は、プラスチック製のゴミ箱で比較的軽量ですが問題ないようです。
水漏れ検知
水道直結で心配なのは水漏れです。
設置後に水が漏れることは起きていませんが、水漏れを心配するユーザーは、水漏れセンサーを設置すると良いと思います。
SwichBotらしいスマート機器の水漏れセンサーです。
水漏れセンサーに電極があり、水が接すると警報が鳴るものです。
水漏れが発生した時にメール通知する機能もあります。
『水交換ステーション』の横に設置しておきました。
便利な機能と使いやすい操作性
お掃除ロボットS10を使った感想は次の通りです。
ロボット本体の大きさ
お掃除ロボットS10は、外径365mmの円形のロボット掃除機で、標準的な大きさだと言えます。
以前、SwitchBot ロボット掃除機K10+(外径248mm)を使用したことがあり、小回りの効きが抜群に良いことを知っていましたが、それに比べるとお掃除ロボットS10は大きくなります。
キッチンの食卓テーブル周りでは、ロボット掃除機K10+ほどの小回りは効きませんが、お掃除ロボットS10の大きさでも椅子の足の間を抜けて、テーブル下でもしっかり清掃してくれました。
まあ、標準サイズなので、一般的なレイアウトであれば対応してくれます。
それよりも走行力は、本体の大きなものの方が強いと感じます。
カーペットがめくれた箇所や配線でも、簡単に乗り越えていく力があり、トラブルは出にくいと思います。
実際の清掃においても、走行力がある分、障害物などについて気遣う必要がなく、ノートラブルで清掃を完了してくれています。
重さも5500g±10gと結構ずっしりしています。
それでも走行力が強いので、重さが安定感につながっているのだと感じます。
持ち運びについては、少し重いので両手で慎重に持つようにしています。
吸引能力について
吸引能力は、4段階(静・標準・パワー・マックス)を選択できます。
最初は標準で清掃しましたが、吸引能力は十分なものでした。
それでいて、清掃中の吸引音がかなり静かです。
数値化できませんが、既知のロボット掃除機よりも吸引音が中低音になっていて、うるさく感じにくいように思います。
標準であれば、リビングでテレビを見ながら清掃しても、邪魔な存在にはならないと感じました。
ローラーモップによる拭き掃除
ローラーモップによる拭き掃除は、通常の吸引のみの清掃と異なり、モップの回転音を大きく感じます。
うるさ過ぎるわけではないのですが、吸引のみとは違うそれなりの音が出ます。
清掃範囲に足拭きマットやカーペットがあるとロボットがカーペットを検知して、ローラーモップを引っ込めます。
カーペットを通過するとローラーモップが出てきて水拭き清掃を再開します。
ローラーモップの位置がロボット本体の外径端から数cm内側にあるため、廊下の際まで水拭きはできません。
それでも際部の清掃は本体を蛇行させて、清掃が行き届くように、目一杯の動きを見せます。
サイドブラシで清掃を強化する設定もあるので、清掃の出来栄えとして不満を感じることは少ないと考えます。
水拭き能力をテスト
試しに、廊下にケチャップを垂らして水拭き清掃してみました。
お掃除ロボットS10がケチャップの上を通過し、通過後にケチャップはローラーモップで拭き取られていました。
清掃後に掃除機の裏面(清掃面)を見ても、ケチャップの跡は見られません。
ローラーモップも清掃時にリアルタイムでクリーニングされているため、特異な汚れは残っていませんでした。
水交換ステーションの役割
お掃除ロボットS10において、『水交換ステーション』は大きな役割を果たすステーションです。
『水交換ステーション』に水道を直結することで、メンテフリーでロボット本体に新鮮な給水が可能になります。
もちろん『水交換ステーション』に『外付け水タンク(水2.5L、汚水2L)』を接続することで、水道直結しなくても利用できます。
『水交換ステーション』では、ロボット本体の汚水を回収し、新鮮な水を補給することが重要な役割となります。
AI障害物回避システム
お掃除ロボットS10は、AI障害物回避システムが搭載されています。
大きさにもよりますが、大まかな障害物を接触なしで、カメラ映像で検知してくれます。
よって、自動清掃する前にあれこれ片付けるような手間は省くことができます。
例えば、廊下にあるスリッパは軽いため、接触型センサーでは回避できません。
しかし、お掃除ロボットS10のAI障害物回避システムでは、スリッパを障害物として検知し回避してくれます。
また、暗い場所に来るとライトで照らして、障害物をキャッチしやすくします。ライトが光っている光景は、SFのような雰囲気があり、カッコいいと感じるのは筆者だけではないと思います。
レーダーナビゲーションと簡単アプリ操作
SwitchBotは、多くの種類のスマート機器を販売しており、共通のSwitchBotアプリで操作でき、機器同士を連携するのも簡単です。
お掃除ロボットS10もSwitchBotアプリで操作します。
アプリを立ち上げて、お掃除モードを[清掃]に選択し、スタートするとレーダーナビゲーションにより、見渡せる広い範囲のマップが自動で作成されます。
アプリ上に作成されるマップは、リアルタイムに表示されます。
作成されたマップで清掃範囲の指定や分割、立ち入り禁止区域などを設定しますが、マップ上で直感的に操作できます。
また、[清掃&水拭き]モードを初めて利用する時に『水交換ステーション』の位置をマークします。
マーク方法もマップ上で行うので簡単です。『水交換ステーション』のおよその位置を指定することでロボット本体が『水交換ステーション』を探して正式にマッピングします。
選択する清掃方法は、[清掃]または[清掃&水拭き]の2つのモードです。
各モードで、清掃回数、吸引力、水拭きの水量、スミ・壁ぎわ強化、水拭き強化など好みの設定が可能です。
何度か使用すると、利用する場所に合ったモードが理解できるので、スケジュール設定して、決まった時間に清掃を実行させれば、そこからは本当のフル全自動清掃となります。
指示しなくても、決まった時間に好みの設定で清掃し、ゴミがストックされ、モップは洗浄・乾燥されます。
緊急で清掃したい時だけ、アプリで操作すれば良く、日常的にはフル全自動清掃です。
ワン・ツータッチでメンテナンス
使用して2週間程度になりますが、ノーメンテで利用しています。
メンテナンス部位ごとに標準的な残り稼働時間がアプリに表示されています。
表示されている部位は、『フィルター、サイドブラシ、ゴムブラシ、ローラーモップ、汚水ボックス、水切りワイパー、汚水フィルター、紙パック』です。
自動運転のロボット掃除機は、稼働時間を意識できないので、アプリで稼働時間をカウントしてくれるのは便利です。
こまめにメンテナンスした方が良いのは、どんな機械も同じですが、感覚的にお掃除ロボットS10のメンテナンス頻度は低いと考えます。
また、メンテナンスのために各部位を分解するのもワンタッチまたはツータッチで簡単に分解・取り外しが出来るので煩わしさが少ないと感じます。
結論
お掃除ロボットS10は、水道直結で最大限のメリットを受けることのできるロボット掃除です。
水道直結は、付属部品で施工可能で、一度施工すれば、その後のフル全自動清掃の恩恵を受けることができます。
『外付け水タンク』を利用すれば、水道の無いリビングなどに設置しても良いと思います。
また、ロボット掃除機本体を持ち運べば、ステーションの無い部屋でも稼働できます。
スケジュール設定して、フル全自動清掃することで、環境によっては、家事負担を大きく軽減できる可能性があります。
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SwitchBotお掃除ロボットS10・水交換ステーションの設置
SwitchBotお掃除ロボットS10・外付け水タンクの設置とお手入れ