ブレーキフルードは空気中の水分を吸収しやすい性質があり自然に劣化していきます。
交換周期は2年程度が普通で、車検時に交換されることが多いと思います。
ユーザー車検を通される方は、雨の少ない時期に自分で交換されると良いと考えます。
ブレーキフルードチェンジャー
ブレーキフルードチェンジャーは、コンプレッサーの空気圧を利用して負圧をつくり、ブレーキシステム内のブレーキフルードを吸い出す仕組みなっています。
ブレーキフルード交換手順
自動車のタイヤを外す
ブレーキフルードはブレーキキャリパーまたはブレーキドラム本体に付いているブリーダープラグから抜き取るため、タイヤを取り外します。
ブレーキフルードチェンジャーにエアを接続
ブレーキフルードチェンジャーにコンプレッサーのエアホースを接続して、コックバルブを開けるとエアが通り、ブレーキフルードチェンジャーのホースに吸い込み力が発生します。
最初はバルブ開度を少なめにしておいた方がブレーキフルードの吸い込み状態が確認し易すくなります。
ブレーキフルードチェンジャーのホースをブリーダープラグに接続
ブレーキフルードチェンジャーのホースをブリーダープラグに接続します。
ブリーダープラグは固くて回りにくいことがあるので、事前にブレーキフルードがこぼれない程度に緩めておきます。
ブレーキフルードタンク分のフルード入れ替え
ブリーダープラグからブレーキフルードを抜けば、ブレーキフルードタンクのフルードもブレーキ側に流れていき減っていきます。
ブレーキラインのブレーキフルードを全量交換することを考えれば、先にブレーキフルードタンクに溜まっているフルードを注射器などで吸い取って、新フルードと入れ替えておけば、交換時間の短縮になります。
ブレーキフルードタンクに補充準備
ブレーキフルードチェンジャーでラインのブレーキフルードを抜き取っている間は、ブレーキフルードタンクのブレーキフルードが減っていくので、タンクが空になってエアを噛まないように新フルードを逐次補充していきます。
いつでも補充できるように準備しておきます。
上戸、タンク周辺にウエスを当てておく、ブレーキフルードの置き場など、慎重にスムーズに作業したいところなので段取りは大切です。
ブリーダープラグを緩める
準備が整ったならば、いよいよブレーキフルードの交換に入ります。
ブリーダプラグを緩めて、ブレーキフルードチェンジャーのホースにブレーキラインのフルードが流れるのを確認します。
ブリーダープラグから出るブレーキフルードの出方調整
ブレーキフルードの抜き取り速度はブレーキフルードチェンジャーのコックバルブの開度に連動します。
エアを多く流せば、ブレーキフルードの抜き取りは速くなりますが、エア排出音も大きくなりますし、抜け出ている具合が判りにくくなります。
ホースに透けて見えるブレーキフルードと気泡(吸い取ることにより発生)の流れ方によってコックバルブの開度を決めます。
ただし、エアコンプレッサはエアを流し続けている間に圧力が0.5MPa~0.8MPaなど変動するので、ブレーキフルードの流れる量はエア圧により変化します。
ブレーキフルードタンクに補充
ブリーダプラグからブレーキフルードが抜ければ、ブレーキフルードタンク内のブレーキフルードが減ります。注視して補充していきます。
ブレーキフルード交換完了
ブリーダプラグから出てくるブレーキフルードが透明または色が薄くなれば、ライン内のフルードが新フルードと入れ替わったことになります。
他に準備するもの
ブレーキフルード
ブレーキフルードのグレードは、アメリカの交通省が定めた「DOT規格」で表されます。
DOT3とあるものが一般的な自家用車向けです。
DOT4以上は沸点が高くなりレース用にも使用される高性能品です。
自家用車にDOT4以上のブレーキフルードを使用しても問題はありません。
交換中に出てくるブレーキフルードの色を透明にしようとすると結構な量が必要になりますので、色が変化してきてOKでやっています。
中途半端に残しても長期の保管が利きませんので残量を見ながら4輪の抜き換えを進めています。
ブレーキクリーナー
ブレーキクリーナーはブレーキ関係の整備には必需品です。
うっかりブレーキフルードを付着させてしまった時などブレーキクリーナーで洗い流して対応します。
オイルパン
床にはシートとオイルパンを敷いておくと安心です。
オイル処分
抜き出したブレーキフルードは処分が必要です。
自治体によって処分方法が違いますので確認が必要です。
1L程度なのでトイレットペーパーを利用した吸着が簡単です。
まとめ
ブレーキは安全を確保するための重要な部品なのですが、手順を踏めば簡単にできてしまいます。
自分でやっても、ディーラでやっても性能に変わりはありません。
自分でやることで自分の車の老朽化に気づけますし、その時に気が付いたことを改善しようと考えられます。
カーライフの楽しさを増やす機会になると考えます。