自宅で、車載で、アウトドアで活躍しそうなAlpicool車載冷蔵庫を購入しました。
自宅だったらコンセントから電源を取って、常時稼働できるんですが、車載やアウトドアでは、ポーターブルバッテリーで稼働させようと思っています。
そこでAlpicool車載冷蔵庫2室 31L(ポータブル冷蔵庫)をポータブルバッテリーで運転させて、どのくらいの時間使えるのか確認したので紹介します。
Alpicool車載冷蔵庫の概要
Alpicool車載冷蔵庫2室 31L(ポータブル冷蔵庫)は、左右に分かれた二室があり、片方が8L、もう片方が23Lです。
別々の温度に設定できるのが気に入った点で、小室(8L)を冷凍に設定し、大室(23L)を冷蔵に設定して使用しています。両室共に冷蔵、冷凍どちらにでも設定できます。
本体にバッテリーは搭載できません。
別途電源の確保が必要になるので、ポータブルバッテリーが活躍します。
Alpicool車載冷蔵庫の2室シリーズのサイズですが、31L以外に23Lや39Lの容量のものがあり、各サイズともに幅・奥行きは同じで、高さだけが違っています。
項目 | NLS35 23Lタイプ | NLS45 31Lタイプ | NLS55 39Lタイプ |
---|---|---|---|
2室容量 | 4L+19L | 8L+23L | 11L+28L |
幅(cm) | 61.8 | 61.8 | 61.8 |
奥行(cm) | 37.6 | 37.6 | 37.6 |
高さ(cm) | 37.2 | 44.2 | 51.4 |
キャンプ等で持ち出す場合は、荷物の一つになるので、大き過ぎると邪魔になるし、小さ過ぎると役不足ということで、2Lペットボトル(高さ約30cm)が縦に入る31Lタイプまたは39Lタイプを候補として、これまで使ってきたクーラーボックスの大きさの外側寸法と同じ程度と考えて、31Lタイプに決定。
使用してきたクーラーボックスの内容量は28Lでした。
なので、大室は23Lなので、少し小さくなったわけですが、電気があれば、冷却用の氷等が不要なので収容力は同程度のあるのかな?と思っています。
Alpicool車載冷蔵庫2室 31Lの仕様は次の通り
項目 | Alpicool車載冷蔵庫 2室 31Lの仕様 | 参考)既存の クーラーボックス |
---|---|---|
外側寸法 | 幅61.8cm× 奥行37.6cm× 高さ44.2cm | 幅60cm× 奥行40cm× 高さ40cm |
重さ | 13kg | 5kg |
内容積(小) | (8L) 幅17.2cm× 奥行27.8cm× 高さ16cm | ー |
内容積(大) | (23L) 幅26cm× 奥行27.8cm× 高さ33cm | (28L) 幅46cm× 奥行31cm× 高さ20cm |
設定温度 | -20℃〜20℃ | ー |
電源対応 | DC12V/24V , AC100-240V | ー |
定格出力 | 60W | ー |
騒音 | ≦45dB | ー |
車載冷蔵庫の消費電力の確認

Alpicool車載冷蔵庫2室 31Lの消費電力を確認することに。
確認方法は、ポータブルバッテリーのAC出力から電源を取り、ワットチェッカーで測定、同時に1000Whポータブル電源で、どのくらいの時間稼働させることができるのかバッテリー残量を測定しました。
ポータブルバッテリー:『Jackery ポータブル電源 1000 Pro』
庫内温度測定:『SwitchBot.防水温湿度計』
[1000Whポータブルバッテリー(AC出力)]→[Alpicool車載冷蔵庫]
小室(8L)設定温度:-15℃(冷凍)
大室(23L)設定温度:5℃(冷蔵)
運転モード:MAXモード[急速冷却]・・・別にECOモードあり)
内容物:
小室(8L)は空
大室(23L)は空
庫内はほぼ常温(30℃付近)スタート
車載冷蔵庫の消費電力
測定結果は次表のとおり。
稼働初期3.22hの平均電力は43.5W、庫内の熱を冷ますために使った電力です。
時間経過と共に消費電力は下がっていき、18.8h経過時点までの平均電力は27.7Wでした。
経過時間 | ワットチェッカー | 平均電力量(累積) | バッテリー残量 |
---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 100% |
3.22 h | 140 Wh | 43.5 W | 81% |
11.02 h | 340 Wh | 30.9 W | 49% |
14.18 h | 420 Wh | 29.6 W | 36% |
16.85 h | 480 Wh | 28.5 W | 17% |
18.80 h | 520 Wh | 27.7 W | 7% |
庫内温度推移とポータブルバッテリー残量
庫内の温度推移とポータブルバッテリーの残量(%)をグラフにしたのが下図。
注意:
・温度データは15分間隔で打点(温度推移は参考)詳細は後述
・バッテリー残量は不定期に観測

ポータブルバッテリーは、仕様で1000Whのものです。
バテリーは、トレンドから見て20.5hで残量がゼロになったと考えられます。
そのことから、ポータブルバッテリーから見た平均消費電力は、1000Wh➗20.5h=48.9W。
一方の車載冷蔵庫の消費電力は平均27.7Wだったので、かなり乖離が出てしまいました。
ワットチェッカーの通過電力の表示値は、ポータブルバッテリーの出力電力の表示値とほぼ一致していました。
よって、この乖離の原因は
・ポータブルバッテリーの容量が少ない
・ポータブルバッテリーのDC/AC変換ロスが多い
が考えられます。
そのことを確認するためにポータブルバッテリーのDC出力で車載冷蔵庫の消費電力を再測定することにしました。
DC出力での車載冷蔵庫の消費電力

ポータブルバッテリーのAC出力で1000Wh容量あるはずのポータブルバッテリーが20.5hで全容量を使い切ってしまった原因を知りたく、DC出力でポータブルバッテリーから車載冷蔵庫に給電し残量推移を測定しました。
[1000Whポータブルバッテリー(DC出力)]→[Alpicool車載冷蔵庫]
小室(8L)設定温度:-15℃(冷凍)
大室(23L)設定温度:5℃(冷蔵)
運転モード:MAXモード[急速冷却]・・・別にECOモードあり)
内容物:
小室(8L)は空
大室(23L)は空
庫内は冷えた状態でスタート(AC出力での測定後、引き続き)
その結果が下図のグラフになります。
ポータブルバッテリーの残量が100%から0%になるのにトレンドからの推定ですが43h掛かりました。
ポータブルバッテリーの容量を1000Whとて平均消費電力を計算すると
1000Wh➗43h=23.3W
となります。
この結果からAC出力時に短時間でポータブルバッテリーが底尽きた原因は、DC/AC変換ロスが大部分ではないかと考察しました。(ポータブルバッテリーの蓄電池DCをAC出力し、車載冷蔵庫のケーブルアダプターでACをDCに変換しているためロスが大きい)

車載冷蔵庫に物を入れた場合の消費電力
車載冷蔵庫の庫内が空の場合は、1000Whポータブルバッテリーで43h稼働できることが分かったので、次は庫内に冷蔵/冷凍物が入ると状況が変わるのかを確認しました。
[1000Whポータブルバッテリー(DC出力)]→[Alpicool車載冷蔵庫]
小室(8L)設定温度:-15℃(冷凍)
大室(23L)設定温度:5℃(冷蔵)
運転モード:MAXモード[急速冷却]・・・別にECOモードあり)
内容物:
小室(8L):製氷2皿(常温水〜)
大室:常温の2Lペット+ミチョ3本(0.9L×3)
庫内は冷えた状態でスタート
その結果が下図のグラフです。
ポータブルバッテリー100%から0%まででは、推定33hとなりました。
ポータブルバッテリーの容量1000Whで平均消費電力を計算すると
・[空状態]:1000Wh➗43h=23.3W
・[冷蔵/冷凍物あり]:1000Wh➗33h=30.3W
常温の冷蔵/冷凍物を冷やすため、初期に多めの電力を使うので、安定後の経過時間20hから30hの平均電力を比較すると
・[空状態]:23W程度
・[冷蔵/冷凍物あり]:30W程度
と全体平均と大きく違いません。
結構、違うんだなぁというのが感想です。
実際にキャンプなどで使う場合は、開け閉めも多くなるので、もっと消費電力が増えるのは間違いありません。

車載冷蔵庫のECOモードの効果
Alpicool車載冷蔵庫2室 31Lには、Maxモード(急速冷却)とECOモードがあります。
[1000Whポータブルバッテリー(DC出力)]→[Alpicool車載冷蔵庫]
小室(8L)設定温度:-15℃(冷凍)
大室(23L)設定温度:5℃(冷蔵)
運転モード:
0h-30h : ECOモード
30h- : MAXモード(急速冷却)
内容物:
小室(8L):製氷2皿(常温水〜)
大室:常温の2Lペット+ミチョ3本(0.9L×3)
庫内は冷えた状態でスタート
違いを確認した結果が下図のグラフです。
・30hまではECOモードで運転
・30hからMAXモードに切り替え

結果、1000Whポータブルバッテリーを使用した場合の運転可能時間は
・ECOモード:推定62h
・Maxモード:推定43h
となり、1.5倍近い差があると思われます。
全体の消費電力を比較すると
・ECOモード:1000Wh➗62h=16.1W
・Maxモード:1000Wh➗43h=23.3W
になりました。
ECOモードの庫内温度を引き継いでMAXモードに切り替えしていることから、ECOモードとMAXモードの違いは明らかです。
この違いの理由ですが、それは各モードの最大出力ではないかと推察します。
ECOモードでは、コンプレッサーが運転した時に最大30W前後にセーブされています。
一方、MAXモードでは、最大60W程度までフルパワーで消費します。
このことから、ECOモードは、温度の回復能力は低いわけですが、温度の変化が緩慢になり、無駄な冷却が無くなるため電力消費が少なくなるのだと思われます。他にも細かな制御が入っているのかもしれません。
ただ、通常使用では、車載冷蔵庫の開け閉めによって、庫内温度が大きく変化してしまいます。
ECOモードで対応可能な範囲がどの程度なのかは、実際に使用して判断する必要があります。
当面は、通常はECOモードで運用し、必要に応じてMAXモードを利用することを考えています。
まとめ
Alpicool車載冷蔵庫2室 31L(ポータブル冷蔵庫)を購入したので、ポータブルバッテリーでどのくらいの時間使えるのか確認しました。
ポータブルバッテリーは、AC出力ではDC/AC変換ロスが多く、DC出力で使用した方が車載冷蔵庫を長時間利用できることが分かりました。
Alpicool車載冷蔵庫2室 31Lであれば、1000Whポータブルバッテリーで、MAXモードで30h程度、ECOモードでは1.5倍程度の45hの運転が期待できます。
当然ですが、実使用では色々な状況が出てきます。
今後、キャンプなどに持っていき、実際に使用してレビューしていきたいと思います。
また、ポータブルバッテリーを充電することで、車載冷蔵庫の使用時間を更に伸ばせることになります。
シガーソケット充電やソーラーパネル充電を併用することもこれから試していきます。