自動車のタイヤ交換でエアーインパクトレンチを使用すると楽に作業ができます。
安いインパクトレンチを使用したら、すぐに壊れた!なんて話を聞いて、やっぱり高級機を購入しないとだめなのかなぁ?と考える人もおられるかもしれません。
でも高級機を買う前に、もしかしたら壊れるのは高級機でも安価機でも同じで、ちゃんとメンテしていない可能性があることも考えてみるべきではないでしょうか。
メンテと言っても簡単なもので、使用前後にオイルを挿すだけです。
エアーインパクトレンチが壊れる原因
ガレージにエアーコンプレッサーを導入しているので、自動車のタイヤ交換でもエアインパクトレンチを使用しています。
使用しているのはSK11 エアインパクトレンチ SIW-1300S で高級機種ではありません。
実売価格7千円程度、最大トルク350Nmの製品です。
エアー源には、オイルレスタイプのコンプレッサーを利用しています。
エアインパクトレンチだけに限ったことではないのですが、エアツール全般に壊れる原因は、ごみによる内部摩耗やオイル切れが考えられます。
圧縮エアーの中にごみが入る
圧縮エアーの中にごみがあると、エアツール内部に侵入し、内部の摺動面をきず付けてしまいます。
摺動面にきずが入るとシールが悪くなり、エアーが逃げるので、エアツールが発揮する力が低下します。
徐々にですがエアーの逃げる量が増えて、効率が下がり、最終的には力を発揮できなくなり、壊れたという現象につながります。
そもそも圧縮エアーの中にごみが入るということは、エアコンプレッサーの中にごみが入っていることなので、エアコンプレッサーの圧縮機が壊れていきます。
よって対策としては、エアコンプレッサーの吸い込み口のフィルターを清掃し維持する必要があります。
エアコンプレサーを長持ちさせるためにも時々点検してください。
水分で錆びる
エアーの中には水分が存在するので、エアツールに水分が侵入して錆が発生する場合もあります。
エアコンプレッサーに侵入するのはごみ以外に水分があると言うことです。
水分はエアコンプレッサーのタンク内で液化する場合もあるので、タンクにはドレンプラグが付いています。
時々、ドレンプラグを緩めて、水が出てこないかチェックしていきましょう。
エアコンプレッサーに吐出用エアフィルター(ウォーターセパレーター)を設置しておくことで水分と共にごみを捕獲してくれます。
吐出用エアフィルターは標準で付属しない場合が多いので、適当なものを選定し取り付ける方が安心できます。
ツール内部のオイル切れ
ツール内部は摺動する部分の摩擦を少なくし、摩耗していくことを防ぐ必要があります。
摩擦を防いでくれるのがオイルになってきます。
オイルはタービン油(ISO VG32)を使用します。
簡単に油分をエアーに混入させられるルブリケータを利用するのも手段です。
エアコンプレッサーの吐出口にエアフィルター(ごみ,水分除去),ルブリケータ(油ミスト添加),レギュレーター(減圧)をセットで設置するのが一般的です。
ただし、油分が邪魔な塗装などでは、ルブリケータは不要になるので、エアツールを使用する時だけルブリケータが必要になってきます。
よって、吐出口にエアフィルターのみを設置し、エアツールには注油することでもDIYなら問題ありません。
使用前にエアツールのエアー接続口からオイルを数滴注入し、使用した後にもオイルを注入しておけば、使用中の摩耗を防ぎ、保管中の錆びを防ぐことができます。
エアーインパクトレンチの内部構造
エアーインパクトレンチの内部には、軸を回転させるための空気モーターになる部分が存在します。
流入した圧縮空気で空気モーターを回転させるのですが、回転モーターは圧縮空気を取り込む部屋が複数あり、圧縮空気が部屋に入って膨張し軸を回す動作に変換していくので、部屋に入った空気が漏れない方が効率よく回転させられます。
空気モーターとなる部分の摺動面や各部品の動きが重要になり、オイルによって潤滑を保つことが大切になってきます。
まとめ
エアーインパクトレンチが壊れる原因には、ごみの混入とオイル切れが考えられます。
ごみはエアーコンプレッサーの吸い込みフィルターの清掃と吐出口へのエアフィルターの設置で防ぎましょう。
オイル切れは、ルブリケータ設置でも良いのですが、塗装もさせる場合は、使用前後にエア接続口からオイル(タービン油VG32相当)を注油しましょう。
オイルを入れるだけでエアインパクトレンチをはじめとしたエアツールは壊れにくくなります。
直ぐに壊れると言う前に、簡単なメンテを実施する習慣が大切です。